彼はなぜ小説家になれなかったのだろう?時々考えることがある。少なくとも彼女はそれを望んでいたのではなかったか?あるいは詩人でもよかったはずだ。 けれど彼は自分の才能の活かし方を知らずにいた。そして社会に出てから、うまくいっていた会社をやめたあと、かなり ...
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ワタシの・アイシタ・オンナ3 大宮学舎北黌
文学部学友会国文学専攻クラスの小さな個室というのは、正確にはなんというのかは知らないが、大宮学舎北側にある北黌(ほっこう)西端にあった円柱型の小部屋である。建設されたのは明治12年と古い。 そもそも龍谷大学そのものが日本最古の大学で300年以上の歴史があ ...
ワタシの アイシタ オンナ2 時空をかける少女
その夏、キャンバスから消えたYは、夏休みにはカナダへホームステイしていた。そうらしいとは聞いていた彼は、密かに夏休みの課題の内容なんぞのサゼッションを書きしめた、大きな封書の手紙を実家へ何度か送っていた。 それまで互いにまったく知りもしなかったのに、いき ...
ワタシの アイシタ オンナ 1彼女に初めて気づいた日
ザ・ディランⅡ 1973年、彼が大学を京都に決めたのは、美術部時代から仏像・神像の模写ばかりしていたからだろう。 当時の京都の大学は、まだ学生運動の最中で、学内でもジグザグ行進なんぞが、小規模だがやられたり、時ならず赤ヘル、黒ヘルが投石しあい、女子学生が石が ...


