たかおかみのおおかみ・くらおかみのおおかみ

龗(おかみ)
これは葛城鴨氏、丹生氏などが祭る神である。
この文字は龍の別字である。高龗・闇龗は水神と雷神を意味する。

伊邪那岐命(イザナギ)が、火の神カグツチを切り殺した際、その剣から滴る血や体から生まれた神々(日本書紀の一書など)

鴨氏では特に祖神である阿知鉏高彦根(あじすきたかひこね=大国主の娘婿。鴨氏の氏神。たかかものおおかみ高鴨大神、すきは農業の道具鋤)との畑作開墾における関連が、貴船神社などで伝承されている。

すなわち高龗と闇龗は水と雷であり、その天然現象を受けた土地を鴨氏の氏神であるアジスキタカヒコネの神が開墾し畑を作るという大和の葛城にいた鴨氏の開闢伝承として仕立てられた氏神神話である。稲作に必要な水と、稲の開花に必要な雷がセットになった農耕守護神。

また福井の九頭竜伝説にもこの神は登場する。
「雄略天皇21年(477年)、男大迹王(継体天皇)が越前国の日野、足羽、黒龍の三大河の治水の大工事を行われ、北国無双の暴れ大河であった黒龍川(後の九頭龍川)の守護と国家鎮護産業興隆を祈願され高龗大神(黒龍大神)、闇龗大神(白龍大神)の御二柱の御霊を高尾郷黒龍村毛谷の杜に創祀された[1]。この儀により現代まで連綿と続く九頭竜湖~九頭龍川流域での黒龍大明神信仰が興ったのだとされる。

その後、黒龍大神と白龍大神のうちの前者は、天地の初めから国土を守護してきた四方位を象徴する4柱の神々「四大明神」の一柱を祀るものとされた。東の常陸国には鹿島大明神、南に紀伊国には熊野大権現、西の安芸国には厳島大明神(神宮創建 推古天皇元年{593年})、北の越前国の当地には黒龍大明神として、日本の国家鎮護 及び 黒瀬川(後の九頭龍川)流域の守護神として祭祀されてきた。」
九頭龍信仰と葛・国樔の民と継体と推古と蘇我氏そして阿蘇ピンク石・直弧文の謎 : 民族学伝承ひろいあげ辞典

九頭竜伝承 - Wikipedia


また葛城系神社には闇龗神が祭られる。
「出雲神話が実は紀氏系譜を王としていた国家で、そこに、葛城鴨の祖である八重事代主やら宗像氏・安曇の祖であろうタケミナカタ?やあるいは高鴨阿治須岐詫彦根がいたのはわかりやすい。要するに武内宿禰も紀氏も飛鳥の先の王家の腹心氏族だったが、その前は日本海の王家だった。それが倭五王政権下では臣下、内の臣とされたのだと。それが本当の国譲りだろうとなる。ならば武内宿禰=蘇我氏説に有利である。また葛城氏の神社に闇龗(くらおかみ)という本来は高龗(たかおかみ・)とセットであるはずの一方だけが祀られるのも説明しやすくなる。闇龗とは雷・稲妻で雷神を指し、高龗は竜神で雨・水、風神だと考えればいいのである。すると前に書いたように風神は皇別、雷神はその外に置かれる別の地位にあったことが非常に納得できるものと考える。」
武内宿禰とは何者か4 「宿禰」徹底追跡 そのはじまりは葛城襲津彦=越人倭族 : 民族学伝承ひろいあげ辞典



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高鴨阿治須岐託彦根命神社(高鴨神社・奈良県御所市)
朝ドラ千代モデル浪花千栄子と南口氏姓分布と葛城一言主神社と楠木正成 : 民族学伝承ひろいあげ辞典



さらに大山祇=大山積であり、伊予の大三島大山祇神社を基とする全国の三島・大山祇信仰のやしろに高龗・闇龗がよく祭られる。大山祇は松尾の祭神でもあるので伊予の越智水軍の先祖と秦氏の関係も考えられる。たとえば秦氏の大氏族を運んだのは伊予の海人族だった可能性は十分ありうるだろう。頼朝がのちに勧請した静岡の三島大社にも二神が祭られる。三島大社は伊予大三島神社の分社である。
※松尾の大山咋おおやまくいというのは、松尾山に杭を立て領域・神域を明確にしたことを祈念した神だろうが、その領域の元には山なのですでに大山積神がいたわけだから、そもそもまず大山積に祈念してわけてもらったとなるのである。


いずれにせよこの二神は土地開墾や治水事業などの際に最初に祈念されてきた神のように見える。

この二神を祀る神社は
高鴨あじすきたかひこね神社
貴船神社
丹生川上神社
などで、いずれも天候と大地、農耕の守護神として祭られる。

奈良の大和神社や上賀茂神社摂社の新宮神社では高龗だけが祭ってある。
高龗は龍神であるので大和神社は龍神を祭る神社1600社の総本社とされている。

また京都の秦氏の氏神である松尾大社(まつのおたいしゃ)では
松尾大社の主祭神は大山咋神(おおやまくいのかみ)と市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)だが、松尾山の神霊を祀る古い歴史を持つことから、山や水を守る神としての高龗神・闇龗神の信仰とも関連づけて語られることがあるという。

京都においては秦氏と鴨氏は同族となった(神婚説話がある・氏族の勢力結婚のことか)ために、どちらにも同じ神が祭られたのだろう。

葛城氏と鴨氏も同様に奈良において同族化が起きたことだろうし、葛城氏と秦氏にもそもそも半島から葛城曾津彦が秦氏を運んだ記述があるから、この三者は奈良葛城山麓ですでに同族化が起きた可能性が高い。


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