除夜作 高適
旅館寒燈独不眠
客心何事轉凄然
故郷今夜思千里
霜鬢明朝又一年



  除夜の作  高 適(こうせき)
旅館の寒灯 独り眠らず
客心何事ぞ 転凄然
故郷今夜 千里を思う
霜鬢明朝 又一年


 じょやのさく  <こう せき>
りょかんのかんとう ひとりねむらず
かくしんなにごとぞ うたたせいぜん
こきょうこんや せんりをおもう
そうびんみょうちょう またいちねん


大意
 旅館の寒々とした物わびしい灯火のもと、私は独り眠られない夜を過ごしている。旅人の心はどうしてこのように一層さびしさを感じるのであろうか。

 故郷の家族の者たちは、きっと大晦日の今夜、遠くを旅している私のことを思ってくれているだろう。明日の朝、元旦になれば、この白い鬢面(びんめん)のわが身は、また一つ年齢を加えなければならないのだ。

※びん とは「もみあげ」のこと

旧年中はお世話になりました。
来年もよろしくお願い申し上げます。
よいお年を。Kawakatu