日本の歴史を知ろうとするのなら、まずここを認められるかで、あなたの歴史観や人類史観や日本人観が、真摯で科学的な分析なのか、それとも独善的でメンタリティな迷信なのかに分かれることになるだろう。
それは、世界中の人類が20世紀初頭から考え、悩み続けてきた、科学対宗教の激しい相克ともよく似た人間の内部の戦争である。
科学は始まったときから、、いかにして信仰や迷信を否定し、乗り越えられるかで個人の中での戦いを強いられてきた。
例えばビートルズのジョン・レノンが「ぼくらはイエス・キリストより有名だ」と、あとの結果も考えず能天気に、ビートルズの人気を表現してしまったために、キリスト教社会では19世紀的キリスト教絶対信仰が復活したという、キリスト教徒でなければちょっと信じがたい事実でもよくわかると思う。
キリストより人気がある・・・つまり世界的にはよく知られているという意味で言ったジョンの冗談は、19世紀的な「キリストこそアイドル」が常識であるキリスト教世界では陽気な世間知らずの若者のただの冗談にはならず、聖書は絶対であり、民間に於いてはそれが常識だったことを否定しようとする、科学者たちのダーウィン進化論(今では常識だが)への大否定論争の復興をもたらしてしまったのだった。ジョンのたった一言で時代が1世紀もあと戻ってしまったのである。俺たちはサルの子孫じゃあない。ほかの異教徒たちがそうであっても自分たちは神の子で、イエスの子孫で、神が創造した崇高な生物だ!!と。ところが欧米のキリスト教はユダヤ教を改良してローマ帝国が欧州に広めた、キリストが教えた原始ユダヤ教とは全然違う教義の宗教なのだが・・・。イエスが考えたものとも違う、帝国主義・植民地主義ひいては世界征服にとって都合のいいだけの異教であることには知らんぷりをする。
しかし仏教徒やイスラム教徒の世界でも確かにビートルズは人気があったのだから、ジョンの言った言葉はあながち大言壮語ではなかったし、キリスト教社会以外では彼の冗談はちゃんと冗談だと理解されたわけである。キリスト教当事者たちだけが・・・つまりキリスト教徒だけが、カトリックもプロテスタントもこぞって狂乱し、騒いだのだ。乱痴気騒ぎだったと言っていい。
彼らにはそれは冗談とはならず、とんでもなく非常識な、信仰を愚弄する言葉と理解されたのだった。20世紀になっていて、産業革命が起きていた時代にだ。
ちょっとまえに、日本の歴史学者や人類学者がこの記事のタイトルと同じこと(日本人は渡来人の子孫だ)を言い出したら、日本中が民族主義を復興させて半狂乱になって反抗のために立ち上がっていたかも知れない。それほど20世紀の日本人の中にはまだまだたくさんの民族主義者、日本人至上主義者が当たり前に存在していた。それが昭和である。
しかし遺伝子学が日本人のゲノム分析の結果を発表した現代においては、日本人の大半が大陸から渡来した弥生人の子孫であることに気づかされている。その割合が8割以上だということも。それは言い換えればタイトル通り「日本人は全員が渡来人の子孫だ」という意味なのではあるまいか?と筆者は言いたいのだ。
あとはただ、君がそれを信じて日本史を再考しなおせるか、そうではなく正反対に完全否定してストライキを起こすかの問題である。
弥生人とは弥生時代~天智天皇時代に日本列島に逃避、渡来してきた渡来人なのである。内訳は伽耶人、百済人、新羅人、高句麗人、中華倭族華南人、華北人、モンゴル人、匈奴、スキタイ族、天竺人、トカラ人、バクトリア人、小笠原諸島経由・台湾琉球経由のポリネシア人などなどである。
それが在来の縄文人たちと混合しながら古墳時代から飛鳥時代末までに、今の日本人の基層ができあがった。(江戸時代以降の諸外国人、黒人その他いろいろ)
ところが縄文人(新石器人)も、それ以前からの旧石器人も、実は日本列島の外からやってきた人々である。ということは日本人のすべては3万年前にやってきたアフリカを出たイブの子孫であることになってしまい、それでは世界中の民族と違いがなくなってしまうので、日本人の他者との違いを探そうというのが先祖探しの主目的だとなるわけである。
アイヌも、琉球も、蝦夷も、飛鳥時代も、九州も四国も本州も、東北も北海道も、今住んでいるわれわれのほぼ全員は、彼らの血を受け継いでいる「はらから」である。
それは全人類が「サルと共通の先祖から生まれた」というのとまったく同じ観念である。
ジョン・レノンがキリストよりぼくたちは有名だと言った時、キリスト教社会で19世紀的キリスト教至上主義が復活し、進化論が否定されたように、KKKや白豪主義者が民族差別をやめないように、日本の民族主義者や右翼国粋主義者たちも進化論と遺伝子分析結果を否定するだろう。そしてあいかわらず朝鮮人や中国人やアイヌや沖縄県民差別をやめるどころかますますそれらにまい進することだろう。誤解や行き違いの対立をまだまだ何世紀も繰り返すはずだ。
そうやって、科学は少しずつ、少しずつだが前に進んで、ようやく何百年後かに常識となっていくのだろう。教育がいつか誤解なき知識を子供たちに伝える責任がある。
いかに否定しようともゲノムはわれわれの祖先が渡来したことを語っている・・・と。
受け入れるのかどうかはあなたがた次第だ。自由である。
言い換えればそれは、あなたが21世紀に生きている現代人かどうかの問題であるし、野蛮人のままかどうかの証明でもあるかも知れない。
あなたは縄文人の子孫ですか?弥生人の子孫ですか?

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