世界の言語約3000種類の中で、ふたつだけ、まだその来歴が確定できない言語がある。
ひとつはバスク語であり、今ひとつが日本語である。


バスク語はスペイン・フランス国境のピレネー山脈に「陸封」されたセム系かケルト系?言語である。つまり先住民としての山の民に残った希少種である。(こうした欧州の孤立民族の多くはアフリカのユダヤ由来か北欧のケルト由来である。フランスブリトン人がやがてブリテン島を乗っ取り英国イングリッシュになど。ケルト民族はフン族に追われ民族大移動の原因を作って拡散し、主として南欧に多くなるが、そこも追われてアイルランドやブリテン島に移住。その痕跡として指輪物語やエルフや妖精神話も拡散。巨石文化や墓の拡散も?)

日本語はまったくその反対に、あまりに多くの言語要素を持ったために、その中心基層がわかりにくくなってしまった世界で唯一の奇妙な言語だと言える。ところが日本語を使う人口は世界に一億人以上いる。これまたきてれつな話であろう。単一国家しか使わないのに一億人いる。これはヒンドゥ教の信者数の多さと同じ概念になる。

同じ大陸の両端に存在するイングランドと比較すると、日本は広大な海域に囲まれており、西にこれまた広大で多種多様なアジア文化圏を控えているが、ブリテン島の場合、西の南北アメリカ大陸は過去、人類がほとんど存在せず、東は同一文化圏のヨーロッパとアフリカがあるだけである。



■古代日本語はピジン・クレオール融合言語の北の末端
ピジン・クレオールとは東西オーストロネシアンの言語融合から始まった概念。
オーストロネシア言語には東南アジアそしてオセアニアという東西大きく分かれた言語体系の融合したピジン言語だと把握される。そうなった理由は人類の出アフリカの二度のイベントに起因すると言えよう。

早期にオセアニアに辿り着いていたアボリジニ系のアフリカン色の強い人々(ホモ・フローレンシアのような小さな原人もか?日本人が小さい理由になる)と、あとからスンダランドにやってきた南方系アジアンの人々とが、はるかな海で交流を続けた結果生まれたのがピジンオーストロネシア語で、そもそも島人、海洋民のコスモポリタンな共通語だと言える。その後欧米人の植民地化で英語と融合した昨今の言語をピジン・イングリッシュと言う。

日本語の基層に絶対的に、大陸国家とは違う言語特徴がある。それはハワイ、南島の言語に共通する母音が必ず子音に付属する音節言語であることだ。

こういう基本的な部分は間違いなく、最古の時代に作り上げられた言語である。つまり日本語の最古の根幹部にはオーストロネシア語属と共通のピジン・クレオールが否定しようもなく存在する。この基層に、あとは順次、「外来語」「外来文法」が入ったのである。

入ってきた言語は、朝鮮語(アルタイ言語系の文法と最新文化に使う単語)、中国語である。
開音節(ほかにもこの国はある、インドシナ半島、ポリネシアなど南海地域が多い)
形容詞比較級の欠如(ラージ・ラージャー・ラ―ジェストなどの語尾変化)
名詞の性別欠如(フランス女性名詞が代表)
主語に影響を受けない動詞
時制の欠如(主語の人称や数、時制などの影響を受けない)
音韻交代の頻度の高さ(おんいんこうたいがオンヰンカウタイなどになること・明治時代以前までのこと。しかし文字表現はそうでも、実際の発音が変わったかどうかタイムマシンが必要。表記を長く渡来人の作った上代仮名遣いに影響されたまま書いていた。)
名詞単数形複数形観念の欠如(単数を表すa、複数形sなどがない)
eで始まる単語の希少性(ほとんどは外来語で日本語では江戸、エゾ、蝦夷、駅、円、エラ、えびす、えじき、えと、エビ、枝・・・など少ないがないとは言えず、けっこうある)


■違うところ
「ラ」音で単語がほとんど始まらない。
「ン」で始まる単語がなくなった。例証「んま」→うま
これは朝鮮語に共通するから、新着外来語が朝鮮語が多かったことの証拠。製鉄や土木などの技術的専門用語はほとんど朝鮮語だったはず。明治以降、医学用語がドイツ語が多かった程度の類似である。

宗教用語は中国語、それも漢音と呉音の両方があるから、南北の文化が入っていることになるだろう。

「らりるれろ」が語頭に来る単語は、日本では少なく(辞書で最も薄い部分がラ行。陸、瑠璃、ラクダ、ラッコ、リス、論理、理科など)、韓国語では皆無で、韓国語ではすべてが「あいうえお」に切り替わるが、面白いことに北朝鮮には「らりるれろ」語頭の単語は存在し、発音できる。例は朝鮮人の姓である「李さん」は韓国では「イさん」であるが、北鮮では「リさん」、「イムジン河=臨津江(リムジンガン)」は韓国では「イムジンガン」だが北鮮では「リムジンガン」なのである。これは半島の民族を考えるうえで重要。

※ラ行が言えないと言うことは、舌を上あご内部につけて発音できないということである。
ところが面白いのは語の半ばにくるラ行は言えるのだ。「らくだ」は「あくだ」になるのに、「くだら」は「くだら」、「しらぎ」は「しんら」なのである。
ところが彼らは巻き舌を使おうとすれば使えるというから不思議である。
韓国人は巻き舌が使えないか - Google 検索

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■日本語と朝鮮語の単語の類似
これは名詞・動詞・語順・基層語ではほとんど見られないが、助詞や副詞に似たものが残存すると思える。

例えば「分かった」は알았어(わらっせ、わらった、ばらった)と聞こえるし、
「~が」は同じく「~が」、呼びかけの「~や」は「~やあ」である。「トンイやあ」「チャングムやあ」など。「~ですか?」は「~すみか?」。そもそも「です」と「すみだ」は同意語の丁寧語で同じ意味。すると田舎で「ですだ」の「だ」は「すみだ」の「だ」ではないかとなる。古代に東国から東北には渡来人がたくさん自由に入ったと思える。中央の埒外だったため亡命が自由だった。滋賀県などは天智天皇が渡来人を移住させているから和邇とか小野さんなどは渡来管理者氏族と考え及ぶ。東北弁が寒いから口を開かない・・・ではなく、外国人と知れるからしゃべらないと考えたら面白くなる。大阪の鶴橋でキムチ売りのおばさんに話しかけてもなにも答えないのと同じだ。東京に来た東北人がしゃべらないのは訛がひどいからだが・・・。そもそも韓国人旅行者の多くが東北にシンパシーを感じるというのは何かある気がする。

また同じ音で意味が正反対に使われる語もある。
韓国語が似ていると言うのならこうした助詞や副詞などの古い言葉に見出さねばならない。
外来語が似ているのは当たり前である。中国語ならむしろ発音は漢音が多いか呉音が多いかなどを分析すべきだし、英語やフランス語の外来語の発音が日本と似ているかどうかなら研究の意味があるだろう。

※ただしこのサイトが似ているとしている単語はみな輸入された中国漢語の熟語の音訳なので煮ていて当たり前である。漢語以外で似ていればそれは類似だと言える。
韓国惣菜bibim'ー日本語と似ている韓国語21選

いずれにせよ、朝鮮には李朝以前の古代記録が少ないので古代朝鮮語について資料がなく比較しようがない。ただドラマなどで聴く限りでは上記のような「古代からあまり変わっていないだろう常用語の中に日本に影響した(渡来人が持ち込んで真似した)言葉はありそうだ。



■開音節
日本語はオーストロネシア語族と同じく50音ですべての子音に母音がつく(開音節)。これは南洋島嶼地域と類似する。朝鮮語は閉音節であるから、音節については日本語は朝鮮語とはかけはなれる。

つまり縄文以前の来訪者たちは多くがオーストロネシア海洋語族だったという推定が成り立ち、それは最新遺伝子ゲノム分析から出てきたインドシナ半島=ボルネオの少数民族(ホアビニアン)とのゲノムの類似に矛盾しない。これが日本語の基層にあった縄文以前語の発音である開音節なのだ。
縄文人はこんな顔だった?ホアビニアンとは : 民族学伝承ひろいあげ辞典


※ただし渡来人が多く翻訳家をやっていた平安以前には、朝鮮語の閉音節が万葉仮名で使用されたために五十音が異常に増えた。この時期の表記を万葉仮名とか上代特殊仮名遣いと言う。このなごりは九州の一部地域や一部階層に戦後まで残存し、「缶」を「くワん」、「ガン」を「グワン」、「せんせい」を「しぇんしぇい」などと朝鮮発音する人がいたが今は皆無。


台湾高砂族(ラピタ人)から広がったオーストロネシア海洋族言語
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ラピタ人からポリネシアンへ モンゴロイド拡散 : 民族学伝承ひろいあげ辞典


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縄文人はこんな顔だった?ホアビニアンとは : 民族学伝承ひろいあげ辞典


また、これは推定だが、アフリカ人やインドシナ人、ボルネオ人に多い「n」ではじまる単語の過去にあった可能性である。「うま」は昔は「むま」と書かれ音は「んま」だったと言われている。ボルネオ語には「ン・バギ」などの単語は多い。


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一方でしかし、タイ語などに多い破裂音(頭子音、末子音など?)、舌をはじく音の言語(タやラを舌を前に弾いて発音)や、小さなッ(促音便)の多用などは日本には少なく、西日本では皆無で、伊豆など関東地方には見られる。伊豆はそもそも小笠原諸島の北端であり、小笠原はポリネシアの北端なのであるから、島々で南海とつながった火山列島ととらえれば、言語的類似があっておかしくはない。


※また日本語には四種類の特殊な音便使用法がある。
撥音便、促音便、イ音便、ウ音便
【音便とは?】撥音便、促音便、イ音便、ウ音便【4種類の音便の見分け方】 | 日本語教師と日本茶アドバイザーの浜村寿弥

撥音便・・・読むでが読んでになる。
促音便・・・あれをしてがあれをしちゃってとはじく。やっちゃった、やっちまった

追加・・・「と」だけで表現する文節がある=博多弁と沖縄弁 とと、とと、とっとっと?(とうちゃん、魚、とってくれる?博多) と(う)~と~と~(拝む 琉球)、とーとー!(ストップ、ストップ!琉球)

上代仮名遣い・・・ヰ、ゐ、ゑ 、を、くゎ・・・などなどの古い表記は、朝鮮人たちが自分たちにわかりやすいように作った文字であり、日本人がそう発音していたかどうかはタイムマシンがないとわかるわけがない。だから無視してよい文字と発音で、実際はい、え、おと音は同じだと思うほうが良い。ややこしくするだけである。無視!!ただし戦後も「くゎ」と言っていた人は確かにいた。在日韓国人と北部九州人である。


参考 古代日本語の基層 : 民族学伝承ひろいあげ辞典
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