この記事も相当久方ぶりだから、刺激を受けるような古代史出来事に、自分が長く目を伏せていたことになる。
受け売りだが、番組では、平原遺跡出土の青色ガラス玉(ソーダガラス連珠)は、エジプトからステップロード(草原の道)でやって来たのではないかと結論していた。

伊都国「王墓」ガラス玉、「草原の道」から 中央アジア出土品と一致:朝日新聞デジタル (asahi.com)
弥生のガラス玉草原の道の旅(平原王墓出土のガラス玉)。 : そうだ!山に登ろう (exblog.jp)
「人類最初のガラスは、6千年以上前に古代メソポタミアで作られたとされている。ガラスの原料は、珪砂と呼ばれる砂。石英という鉱物の粒からできている。この珪砂を1700度以上に熱すると、溶けてガラスになる。しかし、これほどの高温にするのは容易ではないので、珪砂が溶ける温度を下げる融剤というものを加えてガラスを作る。古代に用いられていた融剤には、カリウム、鉛、ソーダの三つがあり、用いられた融剤によって、それぞれカリガラス、鉛ガラス、ソーダガラスと呼ばれる。」
「このうち、ソーダガラスは地域によって、融剤に使うソーダの原料が大きく二つに分かれる。古代の西アジアでは、植物の灰を原料にした。一方、ローマ帝国が支配していた東地中海沿岸では、エジプトの塩湖から取れるナトロンという塩類を使っていた。」
「奈良文化財研究所の田村朋美主任研究員らの研究グループは、10年ほど前から日本や世界各地で発見される古代のガラスを研究してきた。その中で、平原遺跡から出土した重層連珠とよく似たガラス玉を、モンゴルとカザフスタンの遺跡からも発見した。そこで、これら2カ所から出たガラス玉と、平原の重層連珠の成分を、最新の蛍光X線分析装置を使って比較してみた。この装置を使うと、ガラスの中にどんな成分がどのぐらい含まれているかが詳しくわかるのだ。その結果から、ガラスの製法や産地の推定が可能になる。ソーダガラスの場合だと、マグネシウムとカリウムが多く含まれていれば融剤に植物の灰を使ったガラス、逆にこれらが少なければナトロンを使ったガラスとわかるのだ。」
いずれの記事も青いガラス玉が弥生時代に「草原の道」を1万キロメートル! 約2千年前の交易が明らかに | AERA dot. (アエラドット) (asahi.com)
シルクロードや海の道とは別に草原の道(オアシスロード、ステップロード、天山北道などとも)があったことはよく知られている。過去、何度かここでもステップロードと言う言葉を使ったことがある。
今日はシルクロードの日 | 浮世の旅人 (ameblo.jp)
草原の道/ステップ=ロード (y-history.net)
「…遊牧地帯を横切る交通路。草原の道,ステップの道,ステップ・ルートなどと呼ばれ,すでに前5世紀のヘロドトス《歴史》に記述が見られる。(2)洛陽・長安などから河西回廊を経て敦煌に至り,以後おもなものは2道に分かれ,1道はタリム盆地の北辺,天山山脈南麓のオアシス諸都市を経由してカシュガルに至り,次いでパミールを越えてフェルガナ盆地に達し,以後西トルキスタン,西アジア,南ロシア方面へと進むもの。…」
草原の道(そうげんのみち)とは? 意味や使い方 - コトバンク (kotobank.jp)
Kawakatuの想定
連珠はエジプトに工房があって、ローマ帝国へ。そこからアナトリアトルキスタン→ササン朝ペルシャ→黒海沿岸からスキタイやカザフスタン騎馬遊牧民へと転売され拡散。モンゴルを経て朝鮮か中国北東部(燕、公孫氏燕、北魏)へ入って伊都国へ来た(本来は公孫氏コースは纏向へいくはずのルートだが当時まだ奈良は僻地)、あるいは2ではもっと強度に北部九州コースだが・・・とするならばだが、平原遺跡古墳の女性王?は
1 燕国経由で 2あるいは伽耶経由で 3百済王家経由かで九州に入ったか、贈呈されたとなるので、1だった場合は燕はのちに公孫氏となって北魏に受け継がれる地域なので、平原女王が卑弥呼の祖母であった可能性が出てくるわけである。新羅は当時まだないので、飛鳥時代の新羅女王(歩揺氏)が金冠を贈った時代とは隔離する時代。
平原古墳は纏向より50年ほど前の二世紀後半~三世紀初頭の墳墓なので、邪馬台国と言うものがやはり、中国の漢の衰亡によって混乱期を迎えた中国の騒乱の影響下で、徐々に東へヤマト方向へ移動していったという説が復活してくるわけだろう。特に朝鮮半島南部は弱体化してゆくので、こうしたはるか異国の高級品を入手できるのは公孫氏であった可能性が高いのかもしれない。もちろん伽耶・百済から説もさらに吟味すべきだが。
邪馬台国研究的結論はKawakatuには、3世紀日本と中国東方部、半島南部、そして中国やモンゴル、騎馬遊牧民交易、中央アジアとの流通で広く世界的に考えるべきだとなるのである。口を酸っぱくして何度も言うが、九州とヤマトの対立といった日本の中だけで考えている人では謎解きはデータが少なすぎて聴くには当たらぬというのが変わらぬ実感だ。世界史を勉強した方がいい。

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