実は病害だけでなく、ソメイヨシノの寿命が日本中で一斉に尽きてしまうという問題もあるらしい。
ソメイヨシノの寿命は約5～６０年だが、一斉に植えられた時期があって、すでにその時期を過ぎようとしている木が多い。すると植え替えていない木は、あるとき一斉に朽ちて倒れる危険性がある。花見の時によく幹を観ていくと、うろができて、中が空洞の木がよく見つかるはずだ。都会の人の多い公園などは管理され植え替えも早いだろうが、地方の人の少ない隠れた名所などでは管理が遅れる場合がある。倒れたら非常に危険だ。

しかし、今から植え替えるには上記のように苗がめったに手に入らない。

ソメイヨシノはハイブリッドのクローンで子孫が作れないし、しかも接ぎ木なので、土台の木がなくなったらそれもできなくなる。テング巣病にかかった苗などはもちろん使えないし、焼却せねばならない。

またこれはサクラの自然界での運命でもあるが、どんどん花粉が飛んできて、どんどん自然交配も起きるという問題もある。


さらにクビアカツヤカミキリによって加害されたサクラは枯れてしまう可能性もあり、これ以上生息地が拡大しないように早期の撲滅が求められる病害虫問題もある。