「クルミを大きくしたような黄褐色の物体が、冷蔵庫の中で防腐液に包まれ、5度前後で保存されている。
ここは鳥取市中心部にある鳥取県立博物館の地下室。18年前に同市青谷町の青谷上寺地(あおやかみじち)遺跡で見つかった熟年男性の前頭葉(重さ約230グラム)など3人分の脳の一部が、別々の容器に入れられている。」

世にも珍しい弥生人の脳、なぜ鳥取に 未来へ冷蔵保存:朝日新聞デジタル (asahi.com)
館長だより 第63号 (fc2.com)
鳥取県の脳みそ男の骨格から、最近青谷上寺地弥生人の顔が再現されている。

どこにでもいそうな日本人のおにいちゃんの顔で、あんまり普通過ぎて、やっぱり日本人って大陸から来たんだなってしみじみ感じさせられる顔である。
「後日の新聞報道によれば、DNAの抽出には成功しなかったようである。
人骨では、バラバラに遺棄されたような状態で100体分以上の骨がみつかっている。
なかには銅の鏃が打ち込まれた人骨盤や鋭い刃物で切りつけられた胸椎、殺傷痕のある頭蓋骨もある。
激しい戦闘が想像される。」
館長だより 第63号 (fc2.com)
DNAが抽出できなかったのはまことに残念だが、上記のようなわけで青谷は日本海に近い湿地帯で、戦争遺跡と呼ばれてきた。
日本海沿岸が、山口の土井ヶ浜遺跡や島根県の神庭荒神谷、出雲大社周辺遺跡、宍道湖、松江の遺跡などを考えても弥生時代に多くの渡来があったことは間違いない。それだけでなく、富山や福井やの縄文の遺跡も多く、弥生文化というものが先住民の縄文人の大陸訪問に刺激されてやってきた可能性すらあるとも思えてくる。
いずれにせよ、日本人の来歴を考えるとき、弥生渡来人だけでなく、在来縄文人との混血があったことを青谷の弥生人の顔はにおわせていると感じるのだ。意外に通った鼻筋や濃い眉毛、髭の濃さなどは、これまでの薄く平べったい一重瞼の弥生人のイメージとはやや異なっているようなのである。
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