突然声が出なくなり、歌えなくなる現象には、大きく3つの要因からのアプローチがある。
1 心因性失声症
2 生物学的失声症
3 物理的失声症
1 心因性失声症
心理的ストレスなどで声が出なくなる、あるいはでにくくなる現象
2 生物学的失声症
もともと体質的に、声帯が弱い、狭い人。ポリープ、腫瘍など後天的病状が原因するケースもある。
3 物理的失声症
長期的に無理な発声を続けてのどに無理がきてしまう。2と同じくポリープや腫瘍も起こる。
日本の歌手でこのような症状で歌をやめた人は、3は吉田たくろう、2はつんくなどが当てはまるのかと思えるが、天地真理にはこのすべてが当てはまる。
経歴から見ると、合唱法を習ったが期間が短く、もともとピアノ専門だったので、歌った期間は短い。すると、プロになるには、のどがまだ十分には開かれていなかったのにデビューさせられた可能性は高い。年齢的にも遅いデビューだったので、無理させられた。
その後、マーサJazz教室でも期間が不十分で、マーサ本人がもっと勉強させるべきだったと述懐している。
ところがいきなりブレイクしたため、レッスンを継続できずに、大きな舞台で歌い続けてしまった。おそらく三年間、売れっ子で大舞台で歌いまくったはずだ。
そしてプロダクションンとテレビ局の紛争に巻き込まれ、週刊誌に責め立てられ、極度のストレスがやってきた。どちらも突然である。すごい心理的ストレスだったはず。
彼女自身のラジオでの語りから、国立高校で、自分はやせていて声楽には向いておらず、ほかの人は皆体格がよかったと言っている。しかも推測するに高音部を裏声で歌ったのは、声帯が細く弱かったことも考えられる。※普段からファルセットでしゃべる女優として故・春川ますみ(あばれんぼう将軍、火消親分の女房役)をあげておこう。しかし天地真理は会話で裏声は使っていない。声質(地声=チェストボイス)は女性としては低いアルト音域で、しかし高音部はソプラノまで出せた。ベルカントとクルーナーの中間歌唱法(コーラス・クワイヤと言う)は、合唱にはありがちであるが、彼女は合唱の歌い方を続けた。
これらが重なって、しだいにのどに負担がかかっていっただろう。なにしろ歌手デビュー時に3万人も集めた屋外大会場(当時のユニセフ村野外会場)で歌い始めたのだから、大声を出そうというのは癖になっただろう。
もうひとつは声量が小さかった。だからオーケストラに負けまいと、マイクがあっても合唱発声法をつらぬかざるをえなかった。バンドの音量は当時、かなりのものであり、自分の声さえ舞台では聞き取れない。これは舞台を経験した者にしかわかるまい。
そしてストレスでほぼ引きこもっているうちに、ストレス性の肥満になってしまい、のどはいよいよ狭まったのであろう。
最後に、その後レッスンを怠っていたことも付け加えたいが、その理由はやはり狭いアパートなどに引きこもっていなければ取材が押し寄せていたことが大きい。狭いアパートでは合唱のコーラス唱法やクワイヤ唱法の発声練習はなかなかかなうまい。そして寂しかったことが、安易にTVにそのままで出てしまうことにつながった。
人の好さもあって、頼まれたらよろこんで引き受けてしまう、天然もあった。
次回、では古代人の発声は?へ続く。ここは古代史ブログだからだ。
どんな違和感があるテーマでも、結局は古代史に結び付く。あらゆるヒントを底に見出すのが研究者のサガである。ぼくは大分県民だが。

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