Jazzは楽器も楽譜もないところから始まった音楽なので、特に音楽の知識や勉強はいりません。もちろんPOPSの多くがそういうものでしょうが。クラシックのようには基礎から習うと言う必要はなかったわけです。但し、コード=和音の構成は知らないと、アドリブは難しいわけで、知って置いて損することはないでしょうが。知らない方がスリリングな破格な演奏は朝ドラのジョーのようにできるかも?見よう見まねで独学は可能。

Jazzを語るときはその前の音楽形式であるブルースから語らねばなりません。Jazzはアフリカ人の発明した民俗音楽で、奴隷たちが雇い主の白人のやっていたカントリーやフォークソング、賛美歌、クラシック音楽を耳で聴いてアフリカ音楽とドッキングさせた「クロスオーバー」ですから、ちょうどコーヒーとミルクを合わせるカフェオレ音楽と言えるかもしれません。

ブルースは黒人奴隷たちが、日々の苦しみや悲しみ、つらい重労働、そして恋や失恋など、生活に密着した歌詞で歌い始めたのが始まりで、形式をいくつか持った音楽ジャンルです。ブルースからラグタイム、Jazz、ロックンロールなどあらゆるポップスが始まります。

ブルースをジャズに近づけた音楽がラグタイムでしょう。聴いてみたらすぐそれはわかります。よい例は映画「スティング」の主題曲であるスコット・ジョップリン作曲の「ジ・エンターテナー」かな?

ジ・エンターテイナー / スコット・ジョプリン|The Entertainer / Scott Joplin - YouTube


まさにこれがラグタイム・ブルースです。
歌詞はなく、ピアノだけで、ジャズほどにはバックビート=一拍遅れしませんし、スウィングもしません。どことなく哀愁があり、ペーソスを感じさせるブルースの一種。ラグと省略することが多いです。ブルースに強く影響された白人発明の音楽です。で、シンコペーションが多用される、クラシックをとりこんだJazzブルースだとされます。シンコペーションはタイや三連符などの歌い方でなめらかなクラシック奏法の一つ。これがJAZZのバックビート奏法を生み出したのではないかと思えます。(ラグタイム以外にニューオリンズ・ブルースとか言われたこともあるギロッグ・ジャズやあるいはバラッドも。マディー・ウオーターや憂歌団のような明るい目のブルースやジャズも)

バックビート(アフタービート・オフビート・裏打ち・裏拍などという)とは中村八大の「上を向いて歩こう」前半部で使われた、Jazzの最も特徴的リズムです。いかにもアメリカで受けそうな曲ですね。頭の歌いだしで一拍遅らせます。うん・うえをむ~ういて うん・あ~るこ~うぉうぉうぉ・・・と九ちゃんが歌いますね。「うぉううぉう」はスキャット唱法です。小節の頭に必ず四分休符が入り、一拍、ハンパクおいて歌いだす・・・これがJazzなのです。だいたい二拍目、四拍目にアクセントをつけます。これが一拍目、三拍目にいれればダウンビート、つまり普通の入り方、リズムです。またアップビートはR&Bから生まれています。(中村八大はもともとジョージ大塚らと早大時代にビッグフォーと言うジャズバンドのやのぴーでした。クレージーも渡辺晋ナベプロ社長もジャズマンです)

休符を入れる・・・うん・タ・うん・タタって具合に。これのバリエーションでいろんなビートが作られました。スゥイングもその一つです。

だから民謡だろうが演歌だろうが、どんな日本音楽でも、ラテン・ボサノバ・タンゴ、クラシック、バロックでもJazz風に編曲可能。そしてブルースのような3コード、4コードの繰り返し曲(循環コードといいます。フォークソングも最初はそうでした)をアレンジしたので、単純すぎるからアドリブを入れて演奏時間を長くして重厚感、楽しさを出すようになる。楽器も白人の使う楽器をしだいにとりこみます。サッチモ【ルイ・アームストロング】のように最初は高価なトランペットでなくコルネットからはじめる人も多かったようです。ピアノはバーにあるものを使ったり。教会では賛美歌をブルースやジャズにアレンジしたゴスペルも生まれました。またジャズから逆輸入したビバップのリズム(日本ではシャネルズ=ラッツ&スターなどが歌った)からR&B=リズムアンドブルースが生まれ、ダンス音楽ブギウギも出て、ついにロックンロールが誕生したのです。

いっぽうでクラシック音楽も、ブルースやジャズの影響を受け、フォスターやガーシュインが生まれました。スコット・ジョプリンも黒人ですが白人音楽を学んでタグタイムを発明したわけで、これらのポピュラーミュージックたちこそは人種差別を乗り越えて生まれた人類史上の大転換期の音楽と言えましょう。


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