新しいカテゴリー「地形・地質・地理・・・」を作り、これまでの地名分析や地震・災害・原発カテゴリーをここに入れ込みました。


先日、NHKBSのジオジャパンで紀伊半島2熊野の地形誕生秘話「奇跡の島は山国となった」を非常に楽しく、驚嘆しながら観た。新発見の連続だった。知識に感謝。
https://tvtopic.goo.ne.jp/program/nhk/1009/1083472/

さらに本日、その熊野をタモリがぶらりするらしい。困った、BSでその時間、怪魚ハンターがある。怪魚を優先して、ぶらタモリは再放送があるからそっちを観よう。ジオジャパンで、紀伊半島の成り立ちは存分に知ることができたので。


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http://kumano-fan.com/nhk-kumanokodo-geographic-5370




列島誕生もそうだし、地質、プレートテクトニクスなどなど地形・地質・岩石分布的な話は、人間の歴史より数十倍ダイナミックで、頭の引出しに多くのヒントもくれるし、頭を切り替えるのにも役立つ知識だ。筆者は、前も書いたが、地球史で見た地形や考古学のほうが、文献などよりウソがなく、よほど歴史家は勉強するべき最重要な学問だと思っている。いや、人類最高峰の基礎学問として、学校でももっと地球の成り立ちや日本列島の成り立ちを深く教えるべきだ。歴史はその地質のうえに成り立っているし、地質や地形や石質こそがその地域の人間の生活・文化の成立に決定力があるのだ。ヒトのなりわいなどは、まずは大地の特質とともにある。


紀伊半島は、中央分離帯によって、南北の地質と地形に大きな相違がある。
付加体のできかたが違うわけだろう。
中央構造線の南側は、新しい付加体がつぎつぎに加わって、綺麗な横縞模様を作る。これは西日本の特徴で、東日本はこれが縦縞で、しかもばらつきがあるのが特徴。中部地方は、西日本島と東日本島が近寄ったすきまに埋まった柔らかな付加体で埋められてできている。日本列島にはその成立によっいぇの地質の違いが、このように大きく三つあり、それに琉球諸島と北海道島があとから国として取り込まれた。


紀伊半島沖での最近の地震頻発と、実は紀伊半島の成立には深い関わりがある。それがフィリピン海プレートの太古の移動である。このプレートは今でも、北西へ向い徐々に動いており、この沈みこみ運動がかつて大地震も引き起こした。このフィリピン海プレートの沈みこみこそがいわゆる南海トラフである。それは紀伊半島沖から日向灘、奄美諸島へかけて、延々と続いている大断層である。だから紀伊だけでなく京都南や大阪湾、四国、九州東部、琉球まで最近微震がたえまなく続いていることを知っておく必要もあるわけだ。招かれざる結果として東南海大地震は近い将来必ず来ると思っておくべきなのだ。


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同上サイト画像


熊野には非常に奇岩と奇景が溢れている。
その理由は熊野カルデラの存在である。

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紀伊半島和歌山や三重県南部には、これまで火山があると思っていなかったが、Fプレートの大移動がカルデラを生み出し、さらに地球内部のマグマだまりが熊野には集中することがわかった。そのマグマの上昇が熊野灘一帯にダイナミックな奇景を造ったのだ。


なぜ平安時代に、ここで補陀落渡海思想が流行ったかと疑問も、それらの奇岩奇景に、おそらく縄文の昔から日本人は畏敬を持ち続けてきたからだろう。そして空海が高野山や四国や九州国東半島を巡礼の聖地とするのかも、実はこれらの奇岩群に霊的な神聖を感じたからなのだと思える。それほど列島の中でも熊野は特異な地形が山ほど集まった場所なのである。


有名なところでは伊勢のアマテラスの親でもあるイザナギ・イザナミを祭った花の巖であろう。そしてすごいのはオーストラリアの巨大一枚岩にも匹敵しそうな「古座川の一枚岩」である。
https://s.webry.info/sp/paraibablue.at.webry.info/201708/article_6.html





Ichimai-iwa,_Kozagawa01
Wiki古座川の一枚岩より



Kawakatuはぜひここに行って見たくなった。


熊野だけでなく四国南部~わが住む大分県~日向灘に、実に景勝地や奇景が多い事と、南海トラフの危険性がリンクしていることは、歴史、人類史を考えうえで、非常なヒントになるだろうと気がついたのだった。遍路すべきは四国高知県だけじゃなかよ、あなた。




おまけ
じゃらんで調べる和歌山の奇景・奇岩・景勝地
https://www.jalan.net/kankou/300000/g1_22/