田中勝也『東アジア古伝承ト日本原住民』

ナガ族の一派・アジュカムル部族の伝承
「昔シルティと言う英雄がいた。ある日一匹の犬と狩猟にでた。犬は先頭を突っ走って行き、呼んでもついに戻らなかった。
シルティは仕方なく家に帰ったが、眠るとき、犬の吠える声が聞こえた。その声は人間の声のようにも聞こえた。
翌日シルティが行ってみるとあの犬が半ば人間に変身しかかっていた。額にある斑点でようやくあの犬であることがわかったのだ。
犬はついに完全に人間の姿になり、アジュカムルの始祖となった。アジュカムル族は身体の一部にみんな傷跡があるが、それは犬の斑点を現している。

マルコ・ポーロの報告
 ベンガル湾の小島アンダマン諸島に、犬の頭と歯をした人が住んでいる。