ま;まさかり

特別に鍛造した斧。
真砂+半島語「刈り」。
うまし斧=よき斧=略して「よき」=まさかり(鉞)。

転じて、坂田金時の武具。
足柄山は鍛冶、鋳物師の山である。源頼光四天王の一人に、足柄山の鋳物師氏族を代表させた御伽草子の主人公。つきものの熊や得意な相撲の付加価値は、やはり山間の暗いところ(隈)にいた鋳物師や、出雲の野見宿禰のイメージからだろう。

これがこどもの日、端午の節句の置物として人気があったのも、武器を重用した武士たちの発想からであろう。中国の鍾馗などと同じ、延命元気の象徴と言える。

なお、坂田金時の母親がわりをつとめたのは山姥=人食いである。山姥にも恐れの反面、人を食らう鬼の生気が逆に人をフロウチョウセイにするという迷信であろう。昔の人間の発想は常に矛盾に彩られ、裏表である。