前の記事で書いたとおり、バイカル湖から南下して一時的にアジア南部にツングース・キルギス系民族が同化したという自説の概略図である。
非常に示唆に富むのは、家畜の中で牛、ネコは実は欧州のDNAと非常に類似する種の移動があるのである。つまり種によってはどうみても南方から移動してきたが、種によってはステップロードを通ってヒマラヤの北側の砂漠経由(砂漠のシルクロード)でバイカル湖を通ることになる。だから行き着く結論は北と南の双方から時代を異にしてこれらの家畜が来ていることになる。
特に牛は、実際に熊本県の実例であるが、和牛ブームが始まった昭和40~50年代に、さまざまの欧州牛が掛け合わせのために輸入されたにも関わらず、その混血牛のDNAと原種の欧州牛との間に未だに大差が生じないのだ。しかも、日本在来種(純地牛とでも言おうか)と言われる見島牛や口之島牛などの野生牛ともほとんど大差がない。すなわち間違いなく在来の日本の牛は北方経由なのである。
ところが馬はまったく南方系である。
日本の古い馬は南方系小型種であることがわかっている。モンゴルなどの北方系は中型種で、系統が別であるそうだ。この一覧もいずれ作成する。
よく言われる騎馬民族によって5世紀になって船でやって来たという説があるが、実はこれも『魏志』の倭人伝がたまたま「牛馬なし」と書き、日本の歴史書でも騎馬遺物がちょうど5・6世紀の倭五王時代の古墳から出始めたために、そういう解釈がでてきたが、現在はほぼ学会で勇み足」的扱いである。
その事情はなんとも古くさい話だが、江上波男氏がこの説を発表した頃は、まだ戦後まもなく(それほどラディカルな説だったと想像できると思うが)世間一般も学会も、戦中派が多く、その父の世代もまだまだ元気で、とてもではないが「とんでもない」という、悪いけれどまだまだ皇国史観がしっかりと残存しており、日本民族が朝鮮半島の民族から乗っ取られたなどという説は頭が変だ的な誤った?ナショナリズムによって受け入れられなかった背景がある。
日本の牛馬の原初の到来については、まだまだ真実は不明で、牛も馬ももっと古くからいた可能性はないわけではない。どうやら馬は、それがモンゴル系ではないとなったのだから、半島からではないのはいいが、今度はでは南からどうやって?となる。考えられるのは太古、氷河期に小型馬が独自で氷の上をやってこれるかだが、ちょっと無理だ。今の西南諸島、琉球列島は一部つながっていなかったからだ。
となる北から入るとなると、北方系中型種になるはずだ。
日本の在来種馬の多くは島に孤立している場合が見られる。それはどうしても氷河時代の移動があって、温暖化で取り残されたのでなければ話が合わない。誰かが原始時代に連れてきた?さあ、わからない。
日本の古い馬は南方系小型種であることがわかっている。モンゴルなどの北方系は中型種で、系統が別であるそうだ。この一覧もいずれ作成する。
よく言われる騎馬民族によって5世紀になって船でやって来たという説があるが、実はこれも『魏志』の倭人伝がたまたま「牛馬なし」と書き、日本の歴史書でも騎馬遺物がちょうど5・6世紀の倭五王時代の古墳から出始めたために、そういう解釈がでてきたが、現在はほぼ学会で勇み足」的扱いである。
その事情はなんとも古くさい話だが、江上波男氏がこの説を発表した頃は、まだ戦後まもなく(それほどラディカルな説だったと想像できると思うが)世間一般も学会も、戦中派が多く、その父の世代もまだまだ元気で、とてもではないが「とんでもない」という、悪いけれどまだまだ皇国史観がしっかりと残存しており、日本民族が朝鮮半島の民族から乗っ取られたなどという説は頭が変だ的な誤った?ナショナリズムによって受け入れられなかった背景がある。
日本の牛馬の原初の到来については、まだまだ真実は不明で、牛も馬ももっと古くからいた可能性はないわけではない。どうやら馬は、それがモンゴル系ではないとなったのだから、半島からではないのはいいが、今度はでは南からどうやって?となる。考えられるのは太古、氷河期に小型馬が独自で氷の上をやってこれるかだが、ちょっと無理だ。今の西南諸島、琉球列島は一部つながっていなかったからだ。
となる北から入るとなると、北方系中型種になるはずだ。
日本の在来種馬の多くは島に孤立している場合が見られる。それはどうしても氷河時代の移動があって、温暖化で取り残されたのでなければ話が合わない。誰かが原始時代に連れてきた?さあ、わからない。
犬はまず人間の家畜としては最古で、旧石器時代にまで飼育の可能性がある。それは主に残飯処理の用途から始まるとされる。だから犬は必ずヒトとともに移動するわけだ。その犬が南方経由がかなり多い。日本在来種の犬を考えてみると、東北の秋田県など以外はほとんどが四国、九州に分布する。
ニワトリは、毎時代にブームが来て、中国の王朝時代にもたくさんの種が来たから、分析は難しい。軽いから雛でも親でも移動は簡単である。しかしこれも在来種の尾長鶏などは鹿児島から四国、そして太平洋側の尾張地方が有名で、地鶏もやはり東側沿岸、太平洋側ルートである。これらは島嶼ルートで台湾、沖縄からの北上が最も考えやすい。
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犬とネコの志向性で、わかりやすく短絡的に言うならば、ネコ好きは北方系で弥生系(新モンゴロイド)、犬好きは南方系で縄文系(古モンゴロイド)となるかも。
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犬とネコの志向性で、わかりやすく短絡的に言うならば、ネコ好きは北方系で弥生系(新モンゴロイド)、犬好きは南方系で縄文系(古モンゴロイド)となるかも。
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結局のところ南北双方の人種が極東の日本列島で出会ったはずなのだ。
だから今の我々には双方の形質がなければおかしいだろう。
ところが分析は日本人を北方系とした。
なぜか?
ここが歴史を詳細に知らないDNA学者ではわからないのかも知れないが、じつは弥生時代という渡来時代がもう一度あり、その後古墳時代があってここもまた渡来の時代だった。
特に文献のない弥生時代・・・後半・・・・そう謎の卑弥呼から4世紀までの間が可能性が非常に高く、1~3世紀には九州が奴国などとしてちゃんとあっちと交流しているわけだ。この長い時間に来た人々の、大陸も列島も一番激動した時代が、文献に現れない。つまりこれが騎馬民族渡来説の背景だ。
だから今の我々には双方の形質がなければおかしいだろう。
ところが分析は日本人を北方系とした。
なぜか?
ここが歴史を詳細に知らないDNA学者ではわからないのかも知れないが、じつは弥生時代という渡来時代がもう一度あり、その後古墳時代があってここもまた渡来の時代だった。
特に文献のない弥生時代・・・後半・・・・そう謎の卑弥呼から4世紀までの間が可能性が非常に高く、1~3世紀には九州が奴国などとしてちゃんとあっちと交流しているわけだ。この長い時間に来た人々の、大陸も列島も一番激動した時代が、文献に現れない。つまりこれが騎馬民族渡来説の背景だ。
しかも日本では応神王朝の北上が推定でき、中国の史書では倭五王の朝貢が書かれる。
ここがおそらくだが、激動時代の始まりだろう。
となると江上波男さんの復権はまだまだこの先、十分にありえないことではないかも知れないし、かつ、先史時代の原日本人はやっぱり南方から来たという時代が来るかも知れない。
もちろん、その場合、「南方系人種」ではなく「バイカル湖派生の北方系と古い南方系が江南以南で混血した”新新モンゴロイド”」が来たということになるのだろう。
ここがおそらくだが、激動時代の始まりだろう。
となると江上波男さんの復権はまだまだこの先、十分にありえないことではないかも知れないし、かつ、先史時代の原日本人はやっぱり南方から来たという時代が来るかも知れない。
もちろん、その場合、「南方系人種」ではなく「バイカル湖派生の北方系と古い南方系が江南以南で混血した”新新モンゴロイド”」が来たということになるのだろう。
ヒトも文化も、はじめは南!!
そうでなければ納得できなくありませんか?みなさん。
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参考文献佐々木高明・森島啓子編『民族学と遺伝子の対話 日本文化の起源』講談社 1993
佐々木高明『照葉樹林文化とは何か 東アジアの森が生み出した文明』
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