fc0d5e85.jpg

1950年の全国焼き畑分布図である。
作成は佐々木高明『山の神と日本人』洋泉社 2006 より編集
あまりなれていないため、ややおおまかになってしまった。
正確な分布図は、興味ある方は上記著作の85ページをご覧いただきたい。
なお、佐々木高明氏は前回の萩原秀三郎氏とともに民俗学フィールドワークの手本にしたきわめておすすめの学者である。

今回は「焼き畑と信仰」と銘打って、世界中の焼き畑とその民の精霊信仰を追いかける。
調査すると南方インドシナの精霊信仰も日本の焼き畑民から派生したと思われるカンナギの「憑依」とほとんど同系列の憑依信仰に満ちていた。
中国南方系・北方系少数民族、あるいはインドネシア、インドシナ、オロチョン族などなどの焼き畑から、それに付随するさまざまの信仰と風習(例えば狩猟儀礼、照葉樹林文化、山の神、道祖神など)を少しずつご紹介して行く。

特に九州南部のクマソがいたと言われる地方(球磨川上流部と宮崎県椎葉村・西米良村)が非常な密集率で、続いて四国の山間部が大きな焼き畑を持っていた。
この「山の神」民族と、新しく縄文後期に来訪した「田の神」民族の混血が今の日本人の始まりだったのである。