昔この村に大変きれいな娘がいた。ある晩、美しい男が娘の寝ている蚊帳の中に音もなく入ってきた。怪しいと思い娘はその男の着物の裾に、糸のついた針を刺した。明くる朝、男が帰った後、糸を追いかけていくと、南池の石垣に入っていた。中を覗くと針の刺さった蛇が死にかけていた。蛇の女房が「人間のところになんか行くからそうなるのよ」とたしなめていた。夫の蛇は「子供を作ってきたからあの娘も死ぬだろう」と応えた。
女房は「三月、五月、九月の御神酒を呑めば子はおりるさ」と教えた。
それを聞いた娘はさっそく帰って御神酒を・・・。
するとあにはからんや、蛇の子は流れた。
村人たちはかの蛇夫婦をひっとらえ、七つに切り刻み、七カ所に埋めてしまった。そのあたりには「じんじさん」というお宮が四つあるが、それが大蛇を埋めた場所なんじゃ」
女房は「三月、五月、九月の御神酒を呑めば子はおりるさ」と教えた。
それを聞いた娘はさっそく帰って御神酒を・・・。
するとあにはからんや、蛇の子は流れた。
村人たちはかの蛇夫婦をひっとらえ、七つに切り刻み、七カ所に埋めてしまった。そのあたりには「じんじさん」というお宮が四つあるが、それが大蛇を埋めた場所なんじゃ」
因島の民間伝承
佐々木高弘『民話の地理学』古今書院2003から編集
これは典型的な三輪伝説である。
こうした三輪のオダマキ伝説が全国にあることは誰でもご存じだが、その分布が半端ではないことに驚かされる。
類型の分布図を見ると、北海道南部から沖縄与論島にいたるまで何百地域に、蛇との婚姻(蛇婿入り)と糸(苧環)伝説、昔話がまんべんなく点在し白地図の余白を探す方が難しいのである。
こうした三輪のオダマキ伝説が全国にあることは誰でもご存じだが、その分布が半端ではないことに驚かされる。
類型の分布図を見ると、北海道南部から沖縄与論島にいたるまで何百地域に、蛇との婚姻(蛇婿入り)と糸(苧環)伝説、昔話がまんべんなく点在し白地図の余白を探す方が難しいのである。
これらの話はどうやって広まるのか?
大神神社(おおみわじんじゃ)の三輪、苧環神話は、崇神王朝がこの国を平定したというお話を面白く創作した記紀伝承である。
崇神天皇が「天皇」=象徴的王だったか、日本初の大王=現実の為政者だったかについてはここでは問題にしない。
いずれにせよ、崇神は大和朝廷のシンボライズ化された伝説の人物であろう。
したがって佐々木氏は、国家統一譚の拡充によってわかりやすく全国に広めさせた可能性を言っている。
崇神天皇が「天皇」=象徴的王だったか、日本初の大王=現実の為政者だったかについてはここでは問題にしない。
いずれにせよ、崇神は大和朝廷のシンボライズ化された伝説の人物であろう。
したがって佐々木氏は、国家統一譚の拡充によってわかりやすく全国に広めさせた可能性を言っている。
その伝播いちやくを担ったのは、おそらく修験者や回遊職能民だったのではないかと民俗学では言われて久しい。
あるいは猿丸太夫はそういう人物だった可能性がある。
諜報員あるいは伝道師。
ということは、そうしなければ、「大和で起きたきわめてローカルな」国家宣言、国家成立など、地方の人々には関係ねー世界だった可能性があるわけである。「告知」するという行為は、言い換えると「宣伝」「吹聴」であって、概して「吹聴」を伴う場合が多いといううがった見方もあるかもしれまい。
あるいは猿丸太夫はそういう人物だった可能性がある。
諜報員あるいは伝道師。
ということは、そうしなければ、「大和で起きたきわめてローカルな」国家宣言、国家成立など、地方の人々には関係ねー世界だった可能性があるわけである。「告知」するという行為は、言い換えると「宣伝」「吹聴」であって、概して「吹聴」を伴う場合が多いといううがった見方もあるかもしれまい。
なお、以降も蛇関連がいくつか用意してありますが、一切コメントは無用です。
蛇関連はインドのナーガとの関連とか、シュメールまで遡ると言いたい人々が山ほどおられるし、かつ、かわかつもとっくに研究済みですが、当辞書にそのようなご教授は無用ですし、個人的趣味ですので、邪魔はしないでくださいませ。くれぐれもかわかつにその手の説をおしつてけてこぬようにお願いいたします。とくに●×?系のかた。
蛇関連はインドのナーガとの関連とか、シュメールまで遡ると言いたい人々が山ほどおられるし、かつ、かわかつもとっくに研究済みですが、当辞書にそのようなご教授は無用ですし、個人的趣味ですので、邪魔はしないでくださいませ。くれぐれもかわかつにその手の説をおしつてけてこぬようにお願いいたします。とくに●×?系のかた。

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