紆余曲折の末、ここまでで、ほぼ「弥生人の本拠地である長江流域」という結論に到達した。
ミャオ=楚人にも、もちろん可能性はあるが、残存するY染色体分析では、楚人が来たことは証明できず、投石文化だけが日本海側にのみ到来した痕跡があって、やがて彼らがいなくなったことだけがわかった。そして新たに、弥生人が南方アジア人である長江文明人が来訪したという結果が出てきた。

1 先住旧石器時代人、新石器時代人、縄文人は北方系である。
2 初期弥生人は長江人である。
3 琉球には北と南で違いがある。
4 アイヌはほぼ陸封された北方系民族である。
5 縄文人は日本固有種である。
6 旧石器人、新石器人、縄文人の住み分けがあり、あまり混血は進まず、言葉もばらばらだった時代がある。
7 弥生時代の渡来は長江人で、半島人ではない。
8 半島人が入るのは古墳時代以降。

などが判明した。
最も重要なことは、縄文人以前が北方系で、弥生人がむしろ南方の人々だったという逆転の構図である。これを理解するには、20世紀までの形質人類学からの「常識」を一旦、完全に捨て去る必要がある。

でないと筆者のように、一時的に頭が混乱しかねない。

ミャオは倭人の主流とはいえなかった。それは住居の作り方で、ミャオが黄河文明人であるため高床式住居を持っているが、日本の住居は古くは高床ではなく、竪穴式だったということに気づいたのがきっかけだった。また黄河文明が滅びた後、ミャオたちは長江流域へ北上し、一時的同居の時代があるということ。だから遺伝子的に日本人とは遠い位置にあるミャオたちの風習の一部は、長江文明人により持ち込まれた可能性がある。

長江流域は水耕稲作発祥地で、米の遺伝子は日本のジャポニカと今も昔も同じであり、さらには道教や陰陽道の発祥地で、インドにも近く、これら弥生以降の新たな文化、文明が半島経由で、あるいはまれにダイレクトに、日本列島にやってくることが遺伝子考察を補完している。

ここで今一度、長江の馬王堆(まおうたい)遺跡やテン国の存在を再確認。
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水耕稲作技術とともに米炊飯方式が来た様に、これらの信仰形体もほぼ同時期に列島に入ってくる。
つまり「三本足のカラスが太陽である」「射日、招日神話」「猿祖伝説」「卵生説話」「太陽と月の並立」「神は柱」「生命を運ぶ鳥」「芸能の類似」「壁画古墳」などなどの、のちに大陸では道教に集大成されていく観念のすべてが、長江にはある。それらが北部九州にやってくる。

そのとき、西九州には縄文人がいる。
ここで第一回目の縄文と弥生人との融合と離反が起きる。
私達は、もう大陸にいる段階で、いくつかの民族の融合を終えている。それがさらに融合してゆく。
こうして倭人が出来上がり始める。最後に4世紀以降、半島にできていた国家から半島人がやってくる。
ありとあらゆる混血の可能性が列島には存在した。

しかし、その骨格にあるのは最初の渡来先住民であるQ、C3であって変わらない。
言葉も大きく変わらない。
弥生人も古墳人も、現代人もC3と縄文の血脈の基盤から逃れられなかった。一万六千年以上という長い縄文と、そのまた二万年前からの伝統から、現代の私達はほとんど変化がない。私達は縄文人。弥生の血が混じった縄文人。世界に類のない、希少な存在。奇妙な民族。


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