■オーカー=酸化鉄のナゲット
ナゲット(塊)状のオーカー(酸化鉄塊)が先土器時代の旧石器時代の遺跡から出て来ることがある。そればかりか現生人類から進化したばかりのネアンデルタール人の遺骨の顔にも、酸化鉄の鉄粉(赤色オーカー粉)が降りかけられていた。

■イスラエル、カフゼー洞穴
最古の着色料とされるオーカーのかたまりが見つかっている。
約9万年前。

■南アフリカ、ブロンボス洞穴遺跡
約7万年前

■オーストラリア、マラクナンジャⅡ、ナウラワラビーⅠ岩陰遺跡
約4万年前 早期人類拡散でスンダランド経由のアフリカ現生人類のもの。アボリジニになる人々。

■100万年前以前!!
オルドヴァイ峡谷BK遺跡Ⅱ層
二個
人類の色彩感覚の芽生えであるかどうかは不確定

■フランス、ル・ムスティエ洞穴 ラ・シャペル・オ・サン洞穴
赤色酸化鉄鉄粉をふりかけられたネアンデルタール人遺骸
中部旧石器時代

その後上部旧石器時代になるとオーカー粉を降りかけられた現生人類は珍しくなくなる。
■チェコ ドルニ・ヴェストニツェ三体合葬墓
男性二人の頭骨、一体の女性の骨盤と大腿骨。



■顔料としての酸化鉄の歴史と概念
「酸化鉄(さんかてつ)は鉄の酸化物の総称。酸化数に応じて酸化鉄(II) (FeO) や酸化鉄(III) (Fe2O3) など組成が異なるものが知られる。いずれも鉄の酸化物であり、水酸化鉄と並んで錆を構成する成分である。

酸化鉄は自然界では鉱物として見いだされ、代表的なものは赤鉄鉱(ヘマタイト)、褐鉄鉱(リモナイト)、磁鉄鉱(マグネタイト)[1]、 ウスタイト、磁赤鉄鉱(マグヘマイト)[2]である。」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%85%B8%E5%8C%96%E9%89%84

「黄土や酸化鉄などの天然顔料は先史時代から着色剤として使われてきた。考古学者によれば、先史時代の人類が身体に顔料を塗っていた証拠が見つかっている。顔料とそれを粉末にする器具は35万年から40万年前から使われてきたとみられ、ザンビアのルサカの近くにある洞窟などで見つかっている。」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%A1%94%E6%96%99

■オーカー Ochre
酸化鉄の中で「粉末状の酸化鉄を普通の粘土と混合した粘土状物質.塗料などに用いる」
岩石用語辞典
いわゆる黄土。
ベンガラ(褐鉄鉱・リモナイト)とは成分が異なる。

「酸化鉄は顔料としても利用され、日本ではしばしば弁柄という呼び名で用いられる。天然の酸化鉄の顔料は黄土(オーカー、Ochre)と呼ばれることがあり、他にも、生や焼いたシェンナやアンバーのような多くの古典的な顔料が存在する。このような顔料はラスコー洞窟の壁画など早期先史時代の芸術に使われて以来、利用され続けていて、酸化鉄(III)が主成分である。」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%85%B8%E5%8C%96%E9%89%84

●●色彩学者の興味深い実験
■東京芸術大学名誉教授・小町谷朝生(こまちや・あさお)
「人間は色彩を見分けるとき、その最初期にまず赤が来る」

強膜軟化症によって失明し、手術によって視力を回復したばかりのある少女に色彩を認識してゆく過程を記録したもの→『色彩のアルケオロジー』1987 
http://www.keisoshobo.co.jp/book/b25177.html

術後九日目・・・少女は最初に赤色光を「アカみたいな気がする~」と言った。
ニ週間目・・・・アカ・白・黒の三色を認識
四ヶ月以上・・・「一番よく見えるのは白、次が黒、その次が赤」
ただし黒に対しては、ときおり緑などを間違えることもあって、少女の言葉とはうらはらだった。

少女は最初に赤色だけに反応した。つまり人類は歴史的に見ても赤色に最も敏感であったようだ。
赤には生命力があると現代でも言われる。
部屋を赤くすると人間は心が高揚するし、また青よりも温かみを感じる。それは赤色を見たときに人間の体内にあきらかにほかの色よりも副腎皮質ホルモン、アドレナリンが増幅することが実験で証明されている。対して青、寒色系では心が平穏になりやすい。

誰もが知っているラスコーやアルタミラの洞窟壁画にもオーカーが使われている。当時の顔料はオーカーから赤色、黄土・シエナ土(水和酸化鉄)から黄色、煤や木炭、あるいはもしかすると二酸化マンガンから黒色、白土か焼いた骨から白色、赤鉄鉱と二酸化マンガンの混合物から茶色を作っていたといわれる。(安斎正人・東大考古学)

■現代のオーカーの色
http://www.colordic.org/colorsample/4047.html
ややイメージが違う気がする。

■ブロンボス洞穴のオーカー
http://yamatai.cside.com/katudou/kiroku262.htm



次回、顔料の歴史をざっと

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