これは「かわかつの眼」からの転載記事です。
http://blogs.yahoo.co.jp/hgnicolboy/12796335.html
桜の季節はやはりうまいものも旬。
例えば・・・

■花見カレイ
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■スズキ
■しび(鮪)
■イカナゴ
■アイナメ
■ヒラメ
■メバル
■金目
■小あじ
■シンコ(子サワラ)
■キビナゴ
■イイダコ
■桜ダイ
■アナゴ
■アサリ
■トコブシ
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■アワビ
■殻牡蠣
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■タケノコ
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■ワケギ
■各種山菜
■ソラマメ
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などなどがある。

■花見の頃は山の雪が溶けて海に流れ出し、プランクトンが豊かに育ち始める。それを狙って河口部に小魚が群れる。またそれを狙う中型・大型魚も集まる。魚介は産卵前の栄養をたくさん食べて太る。脂が乗ってうまくなる・・・という食物連鎖の結果、春は旬の食材がおおいに店頭を彩るという次第。

■特に明石の桜ダイ。

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ただの真鯛が普段の何倍も鮮やかな朱色になる頃、価格もぐぐっとあがってくる。鯛は寒さに弱い。海水温が14度以上になると動きが活性化する。だから春先までは瀬戸内あたりの鯛は和歌山の紀伊水道あたりまで南下しているので、明石の鯛は五月まで食べられない。桜の頃に食べたい人は白浜か鹿児島、高知あたりにいけばいい。明石では五月のGW頃が旬になる。白魚やイカナゴなどの小魚や稚魚が旬だ。

■「しび」は多分だけれどマグロの小さい奴ではないかと思う。
山部赤人が播磨灘の藤井という海岸段丘で知られた海岸で「しび」を釣っているという歌がある。

  やすみししわが大王の神ながら 高知らせる印南野の おふみの原の荒たへの 藤井の浦に鮪釣ると
     海人船騒ぎ塩焼くと 人ぞ多(さわ)にある浦を吉(よ)み うべも塩焼くあり通ひ見さくも         著し清き白浜  万葉集
この印南野(いなみの)っちゅうのは明石から加古川、高砂あたりを指す。「いんなみ」が詰まって「いなみ」である。印南から北へ上がると日本海に出られる。
釣りをしていたら藻塩焼いている海人(あま)が大騒ぎして、そのやりとりのにぎやかなこと~~~・・・といううららかな歌である。
で、鮪と書いて「しび」と読ませている。普通、マグロは回遊魚で海岸近くにはやってこない。しかしたまに小さいのが迷い込むことがあると高砂の漁師さんが言っていた。そういう稚魚のことを往古はしびと言ったのではないか?

■柿本人麻呂もこのあたりでスズキ釣りをしながら歌っている
  荒たへの藤江の浦にすずき釣る 海人とかや見らむ旅行く吾を

こんなところですずき釣ってたら、人が見たら漁師だと思うんじゃなかろうか?という歌だ。
スズキは出世魚で、海と川を行き来するうちに大きくなる。春先には河口部の汽水域で交尾する。で、ボラと並んで花見の頃はこの鯉のぼりのような大口の魚が店頭に並ぶことになる。
英語でスズキはシーバス。ブラックバスのように口が大きくて味も似ているから。
イギリスでも日本同様、こやつをまるごと包み焼きにする。あちゃらは”シーバスのパイ包み”、”こちゃらはスズキの奉書焼き”。

関西ではスズキはすし屋の定番である。江戸前ならマグロ、イカ・タコとキューリがあればすし屋ができると言うけれど、関西ではスズキ・タイ・ヒラメの三大白身魚が必須条件なのだ。関西人の白身魚好み、江戸っ子の赤味好き。これは縄文と弥生で判断可能。
で、当のすし屋は白身魚にうるさい人を大事にする。つまり職人は関西の文化を認めているってことだね。

■明石のタコは有名だが、今はマダコが主となって、ほとんどが地中海産。縄文時代にはすべてイイダコである。どうしてわかるかっていうと、見つかる蛸壺の大きさが違うわけ。





タコも水温によって移動する生き物だ。だから今は暖かくなったのでマダコが中心になった。
イイダコは小さいから丸のみできる。昔はアサリの中とかチリメンジャコの中に稚魚がにいたりしたなあ。うまいよ。

■藻塩であるが、塩が特に必要になったのは弥生時代から。縄文時代は動物の内臓塩を摂っていた。ところがコメは塩化ナトリウムを補給してくれない。コメが含んでいる塩分はカリウム塩。この二種類の塩分はたがいに敵対する性格がある。コメをたくさん食べると塩化ナトリウムはどんどん排除されてしまうのだ。それでコメ食う人々は人為的にナトリウム塩を大量に摂らなければならない。ゆえに東アジア人は海産物と塩が食の中心になっていった。
これ科学であ~る。

ま、とにかく花見をするならこういう旬の食材を使っている弁当を持参すべしと。^^

※画像は元記事とは若干替えてあります。
参考文献 播磨学研究所編『播磨の民俗探訪』神戸新聞総合出版センター所収 鷲尾圭司「瀬戸内の魚たち──漁業と漁労」2005

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