われわれは奈良や大阪の巨大前方後円墳と言えばまず間違いなく天皇家の先祖の墓で、中には豪華な埋蔵物と棺の中にはその遺骨があるだろうと思っている。
しかし、ここに巨大古墳後世の捏造では?という説がある。
例えば継体大王以前、大和・河内には倭五王がいたとわれわれは学校で習う。しかし倭五王が本当に今の天皇家につながる直接の祖先で、大和や古市に住んでいたかどうかすら、実は関西の研究者が明治時代の歴史学で決め付けたことで、本当はもしかすると、飛鳥を作るに到る欽明大王がそれを九州王家だったものを簒奪し、筑紫王家の筑紫磐井を殺害することで王権奪取したことで、ようやく大和王朝や天皇家の下地が近畿に移動したのかも知れないのである。あたかも教科書は、天皇の歴史が神武以来すべてつながっていて、切れ目がないと、関西歴史学内部の皇国史観に裏打ちされてきたまんまの歴史観で、国民を洗脳してきた、という見方である。
その中では、継体大王という河内王朝と飛鳥王朝をつなぐ役目の人物すら、『日本書紀』の捏造した九州の王で、それを担ぎ上げた大伴氏は、欽明によって失脚させられた宰相一家だったという意見すら存在する。
だからこのはざかいの時代については、関西学者も九州学者も関東学者も、意見がばらばらで、継体が大和を簒奪した意見、反対に欽明が九州を簒奪した意見、継体不在説・・・百花繚乱なのである。
基本的に『日本書紀』『古事記』は天武以後の関西の歴史観で書かれ、対外的に見栄をはった部分を持っていると考えられ始めている。つまり要所要所でうそをついているという考え方である。
そしてわれわれ国民は、これまでの記紀中心の歴史観を教え込まれてきた。大和朝廷から日本ははじまると一元化したほうが国民操作が容易だからである。さまざまな王朝があって、さまざまの国にさまざまの政治があった、などとすると、明治から昭和初期の皇国史観に齟齬が生じ、国民を統率しにくくなるからである。その悪しき伝統が、いまだに日本の教科書には引き続き残存していて、世界的な視野から見て、そんな不公平な歴史学や考古学などはありえない存在なのである。
卑近な例では、いまだに高校生や中学生が、地方にいくほどミリタリールック(詰襟学生服と海軍式セーラー服)のままである。
こういうところに誰も首を傾げないで来たのがわれわれ世代だった。しかしこれからの学生にはこうしたことがらを「なぜ?」と思って欲しい。
なんとなれば、戦前の日本帝国支配を受けた韓国でさえも、映画などで見る限り、押し付けられた日本式学生服を制服としている学校が存在するわけである。
人類のいったん植え付けられた観念はこのようになかなかたやすくは消えないのだ。
今後、戦争をするにしても、しないにしても、既成の右翼的な考え方で始めることだけはしないよう願いたい。
天皇を持ち上げることなき戦争ができてこそ、近代国家。世界国家だであろうし、かつ天皇に重荷をしょわせることのない考え方こそが真の天皇への尊敬ではあるまいか?イデオロギーで操作された歴史観もまた解放されねばなるまい。
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