ヤオ族の一派にマン・ラテンがある。彼らの女性は尾のついた長いコートを着ていたという。ヤオ族は五色の刺繍をほどこした民族衣装を着る。その模様は犬模様が多い。ベトナム北部にいるマン・ティアン族の伝説・・・「皇帝の娘が犬と交わり生んだ男女の双子は、はじめ人間の ...
『後漢書』槃瓠伝説
「昔、帝(中略、文字がないし読めない帝名がここに入っている)、高辛氏の世に中国は犬戎に苦しめられた。そこで帝は、臣民に呼びかけ、犬戎の将、呉将軍の首をとってきた者には莫大な黄金と萬家の国邑を与え、美人の王女を妻として授けようと約束した。ところが、帝には五 ...
ナガ族(インドに含まれるチベット民族)
「昔神がナガ人に文字を身体の一部に書き付けるように教えたが、一匹の犬がやって来て、文字の書かれた皮膚を食ってしまった。それ以来文字は失われた。」ナガ族は現在、インドの一州を与えられそこはナガランドと言う。しかし、民族的には吐蕃の一族であり、犬戎とは同族と ...
日本の考古学から
考古学上のこれまでの犬関連としては、縄文人が犬を大切にしていたらしく、犬を食べた痕跡が日本からは出ていないという特記事項がある。半島では一部で未だに犬食が行われていたという報告がある。ソウルオリンピック開催までは首都ソウルの繁華街でさえ犬を売っていたとい ...
チベット
氏+一(てい)・・・『三国志』魏志・東夷伝引用『魏略』西戎逸文を初見とするチベット民族。槃瓠の末裔を自称した。『漢書』地理志では弖で最大は白馬なりとある。白馬とはていの一派。白馬邸の中にはロロがあり、黒ロロ人、白ロロ人がある。黒ロロ人は馬と犬を食べない。 ...
日本書紀の中の犬
隼人の祖神・ホスセリと天皇家祖神・ホホデミ兄弟の話。 兄ホスセリの釣り針をなくしたホホデミをホスセリは厳しく責める。ホホデミは海神からもらった宝玉で海水の干満を引き起こし兄を服従させる。いわゆる海幸・山幸の神話である。この時ホスセリが行う服従の儀式が重要 ...
中国の古史古伝から。『山海経』など
『山海経』(センガイキョウ)・・・チベット方面の思える土地に犬封国(ケンポウコク)があって、その国の人はまるで犬のような姿をしている。田中勝也『東アジア古伝承・・・』・・・ 中国江南域にあって、俗に槃瓠と呼ばれ今に至っているのがヤオ族であるが、彼らもまた ...
インドネシア・スマトラ
田中勝也『東アジア子伝承と日本原住民』スマトラ・ニアス人の物語 一人の王女がいた。重い皮膚病にかかり、一匹の犬を伴ってこの島に渡って来た。薬になる良い木を見つけた。王女と犬は結婚し、息子が一人生まれた。息子は大きくなり妻を捜しに旅に出た。その時、母王女は ...
インドシナ半島
田中勝也『東アジア古伝承と日本原住民』少数民族チャム系ジャライ族の伝承 ジャライ族には祭政王としての”火の王”という存在があるが、初代火の王の父は犬とされている。火の王は父なる犬に様々の苦難を乗り越えるすべを教えられ成長するのである。ジャライはベトナム ...
インド・アッサム地方
田中勝也『東アジア古伝承ト日本原住民』ナガ族の一派・アジュカムル部族の伝承「昔シルティと言う英雄がいた。ある日一匹の犬と狩猟にでた。犬は先頭を突っ走って行き、呼んでもついに戻らなかった。シルティは仕方なく家に帰ったが、眠るとき、犬の吠える声が聞こえた。そ ...
シベリア・突厥など
出典;『敦煌吐蕃文献撰』『新五代史』吐蕃人の記録; 「七世紀初頭、突厥王が南シベリアに出兵、この時二人の使者が奥地に入り遭難し一人の女に出会う。女性とは突厥語で話ができ、二人の使者は女に連れられて彼女の部落へ行った。二人は気づかれないようにかくまわれてい ...
ヨーロッパの犬伝承
ハンガリー;慣用句に「犬頭のタタール人の暴れん坊」がある。蒙古侵略がさかんだった東欧諸国にはこうした蒙古伝承が多くあり、彼らが犬を祖としていたらしき痕跡が残されている。ジンギスカンの”蒼い狼”伝説もこのあたりからの発展であろうか。ハンガリー人は蒙古を「犬 ...
出典;匈奴が伝える伝説
出典;”On the Dog-Ancestor myth in Asia” 著者; 劉威 ある国の女は大きな犬に似ており、身体中が毛でおおわれていた。国民は多くの犬を飼い、狩猟していた。女たちと雄犬の婚姻で、犬の姿の男と人間の姿の女が生まれた。コメントこの伝説は匈奴に伝わったもので ...
アルメニア
田中勝也同書より 出典;”On the Dog-Ancestor myth in Asia” 著者; 劉威 ひとりの女性と一匹の犬の間にたくさんの子供が生まれ、子供たちは兄弟姉妹の間で結婚し、その結果アルメニア人がひろがった ...
キルギスの犬祖伝説
狼 狼のトーテムは最も古い話に現われていて, キルギス人自身の中に含まれる突厥人,すなわ ち「テュルク」民族と結びつけられて語られて いた。この話は『周書』の中に記されている。 しかし,我われキルギス人にだけ語られてきた 様子を紹介しよう。それはつぎのような ...