民族学伝承ひろいあげ辞典

脳梗塞男の料理とエッセイ、ときどき爆笑、ときどき不満爆発? 著書『秦氏が祭る神の国・その謎』2005年  1955年大分市生、京都育ち。 脳梗塞、高脂血圧、緑内障、糖尿病と闘病中。

著書『秦氏が祭る神の国・その謎』2005年 
1955年大分市生、京都育ち。
脳梗塞、高脂血圧、緑内障、糖尿病と闘病中。

い;糸魚川静岡構造線 この当時の地層は、糸魚川周辺にはありませんが、新潟県では、佐渡や岩船、津川地域に分布します。地層は、主に安山岩や流紋岩溶岩、溶結凝灰岩と呼ばれる火砕流堆積物からなっています。この地層にはさまれる泥岩からは、淡水に住むキュウリウオの化 ...

き「金」; 古来、五金(金・銀・銅・鉄・錫)の長として尊重されてきた、美しい黄色の光沢がある金属元素の一つ。文武天皇大宝元年に対馬国から朝貢されたのが歴史に見える古例である。塊状では美しい黄色の金属光沢、粉末状では紫、コロイド状では赤、溶融状態では緑、箔 ...

も「木炭(charcoal)」『木材を乾留して得られる炭素質物質。木炭はコナラ、クヌギ、カシ、カエデなどを原料にして、種々の方法で蒸し焼き(乾留)してつくられるが、原料の10~20%しか炭にならない。木炭の発熱量は6700~7500kcal/kg(28000~31350kJ/kg)で、茶の湯や焼 ...

日本列島の先住民だった縄文時代人のDNAには中国東部のカザフ地方の古代人のものが34parの割合で入っていた。そして15%はスンダランド(フィリピンやインドシナの諸島)のもの。そこにさらにいろいろなDNAが、地域、時代によってさまざま入り込んでいたのである。これを ...

では日本書紀が示す、南方系神話はなぜ取り入れられたのだろう?いくつかの仮定ができるだろう。ひとつには・・・従属させた隼人の一部は歴史のどこかで滅ぼされ、追いやられたという推定である。一般に滅ぼしたものは丁重に扱われた。これは天孫族が非常に祟りを畏れた種族 ...

ここまでは歴史書と事実が実に合致している。隼人は犬の遠吠えをすることから中国の犬戎の子孫であろうと推定できる。また縄文人は犬を食べなかったという考古学の実証もある。物的証拠である。犬戎は北東部羌や盤弧と同族とされ、同じ犬祖伝説を持っており、その定住範囲は ...

諸国怪談集『御伽物語』(1680年刊行・俳人荻田安静収集 この古書は『里見八犬伝』の著者である滝沢馬琴の蔵書から発見されたものである)「よく知られた話だが、ある家に飼われていた白犬が、その家の娘が小便するたびに掃除せよ、この娘はお前の嫁ぞと言い聞かされて ...

永島慎二という漫画家が母から聞いた地方の民話を漫画にしている。永島の母親は確か長野県出身ではなかったかと思う。「おそめこのへんか」という。おそめという村の庄屋の娘が、猿の大将に見初められ、困ったあげく、庄屋が、柿の木の一番はじっこに実った大きな柿の実をと ...

ナシ族「人類遷徙(せんし・移り変わること)記」「天の怒りに触れておきた大洪水のなかを生き延びた人類の祖ツオゼルウは、天の神の美しい娘ツツブブミと出会い恋に落ちいった。”父の天の神の試練をツツブブミの助けによってみごとにのりきり”、家畜、穀物などの”土産を天 ...

ハニ族「人は地上に生まれ落ちるや、霊魂を12個持つと言われている。この12個の霊魂は人体の安危禍福に対してそれぞれ異なる役割を果たしていて、(中略)整然と並んでいる。第一魂は主魂で、人体にぴったりくっついている。第二魂は次魂で、類推をつかさどる。この12 ...

大林太良が記録した長江南域の大蛇神話。『捜神記』「東越の庸嶺(福建省)の西北の湿地に大蛇がいた。長さ七,八丈、大きさは十余抱えにもおよんだ。大蛇は誰かの夢や巫祝を通して「少女のいけにえを要求した。」毎年、役人たちは奴隷の生んだ子や罪人の娘を捜し出しては大 ...

ミャオ族「二軒の家の境に大きな桃の木があった。ある年、実が一つしかならないことがあった。その実はずんずん大きくなって地に落ち、割れてひとりの男の子が出てきた。両家の人々は喜んで桃の子太郎と名づけてかわいがった。18になった。「毎日川辺の」丘で放牧していた ...

ミャオ族の洪水神話には、日本にしかない神話形式の中の「柱の周りを回って子を生む」類型が見える。これはおそらくこのミャオの伝承だけの特殊な神話だろう。およそ中国江南には日本神話の要素7種類のうち、6種類までははっきり読み取れるが、「柱」型だけは見あたらなか ...

愛知県には牛を「漢神」(からかみ)として生け贄にする風習有り。中川区の金山彦神社のある金山町の隣・正木町に鉄てい出土した伊勢山遺跡あり。金山町には金山の森、鍛冶屋の森あり。「日本霊異記」上巻の3。尾張阿由知群カタワの里の農夫、我田引水のおり、金の杖に雷落 ...

長江流域に住むトン族の「薩神」神話には洪水、兄妹始祖、陰陽五行説などの原型がある。薩神(さっしん)は薩歳(さつさい)、薩瑪(さつば)などとも言われ、その神格は女神である。薩はトン族の言葉で「祖母」を、「歳」は12支最初、「瑪」は「大きい」をそれぞれ現す。 ...

このブログに使わせて頂いた参考文献と資料集、およびおすすめの著書を順次ここへ書き込みます。民族学・民俗学・文化人類学・比較民俗学「日本王権神話と中国南方神話」諏訪春雄 角川選書377 2 ...

ジャワの言い伝えジャワでは食物が少女の死体の各部から生じた神話がある。ヘソから陸稲、頭からココヤシ、性器からサトウヤシ、両手からはぶら下がっている果物、足からは地中にできる野菜が生まれたのだと言う。北ボルネオ・ドウスン族世界の始まりの時、原初の夫婦に子ど ...

釣り針をなくす話も東南アジアに多い神話である。チモール島の伝説 クライエル・ファン・アールストの報告昔ニフにネノが住んでいた。(ネノはチモールのマフェファリロ人の祖先)ある日兄のテファから釣り針と釣り糸を借りてウナギ釣りに出かける。なかなか釣れないので釣 ...

北タイ・ラワ族の伝承 大林太良「東南アジアの神話」世界最初の日、水が世界に満ち、兄妹二人が生き残っただけであった。”一羽の鳥の勧めに応じて”二人は結婚したが、妹は十年間妊娠したあと、ヒョウタンを一個産んだ。ある日、妹がヒョウタンに穴を開けようとして指を当 ...

東南アジアセレベス地方のトラジャ族の伝承 大林太良・ミシェル・パノフ他『無文字民族の神話』所収大林太良「東南アジアの神話」より昔、天地の間は近く、神が縄に結んで贈り物を降ろしてくれていた。ある日、神は石を降ろしてきた。われわれの最初の父母は「これをどうし ...

ここでくれぐれも申し上げておくが、筆者はこれらの南方系説話によって一定の「日本人起源」はこれしかないと言うつもりは全くない。読者の方々にただ淡々と伝承を書写して提示してゆくだけである。勿論、それだけではナンの話だかさっぱり見えてこないという不満も出るかも ...

沖縄県宮古島伊良部島の伝説 「ある家で犬を飼っていた。戦争が起こり、その家の主人は犬を連れて戦争に行った。犬は敵をたくさんやっつけて勝ち戦となった。家に帰ってから、主人は犬に食べ物をたくさん与えたが、犬は何も食べなかった。その代わり、その家の娘を嫁に欲し ...

『博物誌』(『後漢書』東夷伝序文引用掲載部分) 「昔、徐君の宮人が卵を生み、これを水辺に捨てると、ある孤独な母親の飼い犬で、鵠蒼(こくそう)という名の犬が、この卵を口にくわえて持ち帰ってきた。母がこれを覆い暖めると、小児が生まれ、これは骨のない子であった ...

海南島には黎(り)族と苗族の二種族が多くおり、苗族はもともと明代にここに警護のために置かれたヤオ族軍隊の子孫である。二種族共に犬祖伝説を持ち、黎族のものは「皇帝の娘の足のおできを黒犬がなめて命をすくい、その息子がやがて犬を父と知らず年老いて殺し、葬る。そ ...

射日神話に関しては以下のサイトが最も詳しく、優秀である。照覧されたし。http://www.me ...

http://esperanto.china.org.cn/ri-shaoshu/yao.htmhttp://www.asia-photo.net/yunnan/minzu/yaozu/yao.htmlhttp://www.mekong.ne.jp/directory/culture/legend03.htm 大林太良氏『神話学入門』「中国の皇帝パンは、長年にわたってカオ王と争っていたが、ついに従えることが ...

まず前掲記事に現れた会稽はどこにあるのかを分析しよう。会稽は現在の淅江省~江蘇省にかけた地域にあった。会稽の地名は春秋時代の呉越の戦いで著名な会稽山からつけられた地域名である。会稽山そのものは現在、紹興酒で名高い淅江省紹興県の郊外にある。『華南文化史研究 ...

チベットでは始祖は一般に猿と岩の魔女との婚姻で生まれたと言われる。それは六匹の猿で、場合によっては六人の小人となることもある。これが人間に変身してチベット族になったと言われている。中国ではこうした猿始祖伝承を持つ種族を一括して「獣扁に彌猴」(びこう)と呼 ...

殷の始祖伝説『史記』・・・「殷の始祖契(せつ)の母を簡狄(かんてき)といい、古帝高辛氏の二番目の妃である。ある時、水浴びをしていると、玄鳥(黒い燕)が卵を落とした。簡狄はこれをとって呑み身ごもった。生まれたのが契である」『王子年拾遺記』晋代の史書・・・「 ...

ヤオ族の一派にマン・ラテンがある。彼らの女性は尾のついた長いコートを着ていたという。ヤオ族は五色の刺繍をほどこした民族衣装を着る。その模様は犬模様が多い。ベトナム北部にいるマン・ティアン族の伝説・・・「皇帝の娘が犬と交わり生んだ男女の双子は、はじめ人間の ...

「昔、帝(中略、文字がないし読めない帝名がここに入っている)、高辛氏の世に中国は犬戎に苦しめられた。そこで帝は、臣民に呼びかけ、犬戎の将、呉将軍の首をとってきた者には莫大な黄金と萬家の国邑を与え、美人の王女を妻として授けようと約束した。ところが、帝には五 ...

「昔神がナガ人に文字を身体の一部に書き付けるように教えたが、一匹の犬がやって来て、文字の書かれた皮膚を食ってしまった。それ以来文字は失われた。」ナガ族は現在、インドの一州を与えられそこはナガランドと言う。しかし、民族的には吐蕃の一族であり、犬戎とは同族と ...

考古学上のこれまでの犬関連としては、縄文人が犬を大切にしていたらしく、犬を食べた痕跡が日本からは出ていないという特記事項がある。半島では一部で未だに犬食が行われていたという報告がある。ソウルオリンピック開催までは首都ソウルの繁華街でさえ犬を売っていたとい ...

氏+一(てい)・・・『三国志』魏志・東夷伝引用『魏略』西戎逸文を初見とするチベット民族。槃瓠の末裔を自称した。『漢書』地理志では弖で最大は白馬なりとある。白馬とはていの一派。白馬邸の中にはロロがあり、黒ロロ人、白ロロ人がある。黒ロロ人は馬と犬を食べない。 ...

隼人の祖神・ホスセリと天皇家祖神・ホホデミ兄弟の話。 兄ホスセリの釣り針をなくしたホホデミをホスセリは厳しく責める。ホホデミは海神からもらった宝玉で海水の干満を引き起こし兄を服従させる。いわゆる海幸・山幸の神話である。この時ホスセリが行う服従の儀式が重要 ...

『山海経』(センガイキョウ)・・・チベット方面の思える土地に犬封国(ケンポウコク)があって、その国の人はまるで犬のような姿をしている。田中勝也『東アジア古伝承・・・』・・・ 中国江南域にあって、俗に槃瓠と呼ばれ今に至っているのがヤオ族であるが、彼らもまた ...

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