ウイルスは太古から生物に侵入し、悪玉もやがて善玉に変身した?


「ウイルスと言えば、誰でもすぐにインフルエンザやポリオなど数多くの病名が頭に浮かんでくるように、ウイルスは病気を起こすものとみなされている。ところが最近、ウイルスが人の胎児の保護に働いていることをはじめとして、いくつもの重要な役割を果たしていることが明らかになってきている。」山内一也(やまのうち・かずや)『ウイルスと地球生命』2012

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ウイルス学のはじまりは口蹄疫という牛のウイルス研究から始まった。そしてご存じ、ジェンナーのわが子を犠牲としての種痘ワクチン開発での天然痘完全克服も牛疱瘡をヒントに始まった。そして黄熱病、ポリオ(かつての小児麻痺・サリドマイド)、麻疹などのウイルスワクチンが完成していった。ウイルスが引き起こす病気には、ほかにエボラ出血熱、豚口蹄疫、鳥インフルエンザ、などがいまだに克服できていないままだ。また植物でもタバコモザイク病、魚類では養殖魚にもウイルスが見つかっていいる。中には細菌に寄生するウイルスさえ存在している。

ウイルスは人類が生まれる以前から、祖先である猿人、それ以前からの霊長類時代から引き続き遺伝子に関わっているものまであって、歴史は人類そのものより古いものもある。それらの中には、もっともっと古い時代の、爬虫類から哺乳類への進化に関わったレトロ・ウイルス類がある。

2003年、驚くべき遺伝子分析が発表される。
なんと人類の全遺伝子・・・ゲノム分析で、ヒトゲノムの9%がヒト内在性レトロウイルスだった。そして34%は以前このブログにも書いたレトロ・トランス・ポゾン、3%がDNAトランス・ポゾンだった。



トランスポゾンとは、移動性遺伝子。生物間を自由に往来できる(転移可能・・・言い換えると感染可能な)遺伝子である。その大部分を占めているレトロ・トランスポゾンとは、なんと驚くことに、数千万年前に感染したレトロウイルスの祖先の断片だったのである。体がそれを記憶しつづけている。しかもその記憶が遺伝子に組み込まれたままであるというのだ。さらに2011年にはDNAトランスポゾンと同類の構造を持ったウイルスが発見された。

「このように見ていくと、われわれが持っている遺伝情報の約半分はウイルスに関連したものということになる」(山内 2012)





哺乳類発生だけじゃない、
霊長類発生時にもレトロトランスポゾンの大爆発

以前もレトロ・トランスポゾンが哺乳類の条件となる胎盤形成のために爆発的に生物体内で増加したことを書いたが、山内によれば、霊長類が発生する前にもレトロトランスポゾンが大爆発していることがわかった。つまり大昔の感染していたウイルスの断片から、画期的な生物進化が起こるのだという大発見が起こった。これにより、ウイルスが単なる病原体だけではなく、善玉的な働きも持っていると言う研究が始まったのだった。

人類はレトロウイルス寄生が契機となって生まれたレトロ遺伝子によってはじめて生まれることになったのである!





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