ちょっと固い割込み記事だが、今読んでいる本が面白いので。



縞状鉄鉱床 しまじょう・てつこうしょう

     

「酸化鉄とケイ酸塩鉱物が縞状に堆積した地層。 先カンブリア時代の藍藻による光合成が始まり、それまで無酸素状態だった海水に酸素が溶け込み、大量の鉄イオンが酸化されて海底に沈殿したものと考えられている。 また、原生代末期の7億年前にも大規模な縞状鉄鉱層が生成したことがわかっている。」ことバンク

「先カンブリア時代の海底に堆積した酸化鉄を主体とする堆積鉱床である。北アメリカやオーストラリアには厚さが数百m、長さが数百km以上に達する大規模な鉱床があり、全世界の鉄鉱石埋蔵量(1500億トン)の大半がこの縞状鉄鉱床である。また機械による大規模な採掘が可能なので、現在の世界の鉄鉱石の需要(年間約6億トン)の大部分を縞状鉄鉱床から産出する鉄鉱石がまかなっている。縞状鉄鉱床の名は、鉄鉱石に富む部分と主にケイ酸塩鉱物から成る部分が、各々厚さ0.5~3cm程度の縞状に細かく互層していることから名づけられた[2]。鉱床の生成原因は、当時の無酸素状態の海水に大量に溶解していた鉄イオンが、生物の光合成が始まって以後その副産物である酸素分子に酸化されて海中に沈殿したものと考えられている。 」Wiki

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縞状鉄鉱床の世界分布


簡単に言うと、地球上に最初に生まれたバクテリアであるシアノバクテリアが二酸化炭素を取り込んで酸素に変えたために、地球には酸素とオゾン層ができ、宇宙からの強い紫外線が遮断されたおかげで、ほかの微生物や植物が生まれやすくなったのだが、このシアノバクテリアは当初、海中の硫化水素の出ている海底火山の火口や、地上では、坊主地獄のような、マグマによってぶくぶくと煮沸された硫化水素温泉帯から発生し、海中ではその死骸が何層にも重なった。その重なりは縞状で、彼らの出していた酸素によって鉄分が酸化する。これが酸化鉄で、バクテリアの死骸にそれがこびりつくことで縞状の鉄鉱床が生まれるのである。

そしてその地層はやがて隆起して山脈になる。そういうことのよくわかる場所がアメリカなどにあり、真っ赤な谷や山が見られるが、縞状の鉄鉱床と交互に白い石灰層が地層となっていると、まだらの紅白山脈となる。

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アメリカ・セドナ


つまり、大量の鉄でできている地球の鉄分を鉱床にしたのはシアノバクテリアのおかげであり、酸素もシアノバクテリアのおかげで生まれたわけである(例外的酸素生成説、鉱床誕生の場所もある)。もしシアノバクテリアが生まれなければ、われわれ人類を含むあらゆる生物も生まれなかっただろう。


宮城島さん 「今は細胞の中にある、呼吸をするミトコンドリアや光合成する葉緑体。昔は独立に生きていた、光合成するバクテリア・呼吸をするバクテリアが、それぞれ細胞の中に取り込まれ、細胞の中で共生する『細胞内共生』をして、ミトコンドリアや葉緑体になったというのが、細胞内共生説です。真核細胞内にミトコンドリアと葉緑体は、元は独立して生きていたバクテリアでした。どのようにして、葉緑体やミトコンドリアは細胞小器官になったのでしょうか。葉緑体の起源はシアノバクテリア、ミトコンドリアはプロテオバクテリア(好気性細菌の一種)という原核生物でした。



kodaisihakasekawakatu.blog.jp/archives/17692406.html




翻って惑星探査で、もしシアノバクテリア、あるいはそれに近似する微生物が見つからない星には、当然生命体がいたはずがないとなるだろう。月では生命の痕跡はなく、火星も今のところないようだが、もしバクテリアの死骸が土壌から見つかれば、火星にも少なくとも「かつては生命体がいた」根拠となる。

しかし、地球でシアノバクテリアが生まれたのはかなり天文学的な確率であり、そうした惑星がほかにあるためには、地球同様の、太陽からの距離感で、同じような周回する惑星で、適度な感覚で十分に太陽光が当たり、鉄分豊富で、火山と海、温泉がある・・・などの条件を満たす必要がある。この太陽系でそれを発見するのは、さて、難しい気もする。ではほかの銀河系や太陽系、あるいはほかの宇宙なら?それなら可能性は非常に高くなる。しかしそのようにはるかに遠い場所の生命体が、人類同様、あるいは以上の知能をもっている可能性は未知。いたとしてもこの地球までやってこれる燃料や、飛行できる宇宙船を作れるかどうかもまず不明。するとつまり宇宙人がいたとしても、地球にまでやってこれる可能性は何兆分の一以下のもっと桁が大きな確率しかなくなり、まずはいないだろうとなる。




日本の鉄鉱床分布と成立過程

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わが国の鉄鉱石は,スカルン鉱床,鉱泉沈殿型鉱床および砂鉄鉱床から産出したが,いずれも現在では稼行されていない。
 スカルン鉱床としては,釜石,和賀仙人(岩手),秩父(埼玉)鉱山が代表的なものである。
 鉱泉沈殿型鉱床としては,倶知安,喜茂別,徳舜瞥,大漠,虻田(北海道),草津,群馬(群馬)が知られている。 このタイプの鉱床は第四紀の火山活動に伴う温泉や鉱泉などの含鉄水からの化学的,微生物(バクテリア)的作用で沈殿したものである。 その多くが当時の沼地に産するため,別名「沼鉄鉱Bog iron ore」とも呼ばれている。 室蘭製鉄所は戦前,国策上この鉄資源を利用するために建設された。
 砂鉄鉱床としては,内浦湾(北海道)や八戸市(青森)の海岸線付近および玉浦海岸(宮城)の砂丘中のものが知られている。 山陰地方や岩手県内では,花崗岩の風化物に由来する砂鉄(山砂鉄という)が古くから利用されてきた。
www.msoc.eng.yamaguchi-u.ac.jp/collection/element_14.php



参考 『地球システムを科学する』伊勢武史
ことばんく縞状鉄鉱床
Wiki縞状鉄鉱床
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