文学部学友会国文学専攻クラスの小さな個室というのは、正確にはなんというのかは知らないが、大宮学舎北側にある黌(ほっこう)西端にあった円柱型の小部屋である。建設されたのは明治12年と古い。

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 そもそも龍谷大学そのものが日本最古の大学で300年以上の歴史があり、旧西本願寺境内にある。北側を西本願寺がどかんと占めており、大学全体が重要文化財になっている。そんな場所で現代の学生が学ぶ・・・京都ならではのものだ。


 昌平黌とか熊本の濟々黌高校とかと同じ黌で、学び舎の意味がある。校舎のことだ。文学部学生は教養課程の二年を伏見の深草学舎で済ませると、スクールバスなどで大宮学舎中心の生活に入る。これは文学部だけの特典で、狭いけれど瀟洒で落ち着いた雰囲気の中で和気あいあい過ごせるわけである。西隣は高校野球で有名な、姉妹校の平安高校だ。本願寺系大学には龍谷のほかに京都女子大学や大谷派の大谷大学がある。高校も平安以外に東九州などに龍谷高校、大谷高校もある。


詳しくはこちらでhttps://www.ryukoku.ac.jp/about/campus_traffic/omiya.html


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 説明が長くなった。



 季節はすでに秋になっていた。窓を開ければ花梨の香りが漂い始めた。重い古いフランス窓の窓辺で、夢見る乙女Yは花梨の香りにむせつつも、よくしゃべる。天高く抜けるような声で、「こやつが手紙の主か」とばかりに、じ~~~~~と彼を射抜くように見つめつつ、彼女の言葉を借りるならば「高揚に頬ほんのり染めつつ」彼=「junさま」・・・彼女の夏休みの夢想の中で、彼はそう呼ばれていたらしい・・・ついでに彼女の通称は「sumiちゃん」である。これで無事に二人の名前が決まった。のちにこの二人は「月曜日の二人」となることになる。

 意味不明?まあ読みなはれ。いずれわかる。


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TV金田一耕助シリーズに使われた北黌学舎





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 攻撃的性格のsumiちゃんは、意識するからだろう、やたらに彼に突っ込みを入れてくる。最初からそうである。つんつんと、ややきつい意見や質問をしてくる。勢い、ほかの学友たちはその動向を眺めるしかない。興味津々というほうがよかろうか。この気の強い、東海のええとこのお嬢さんは、いつもこうらしく、数人の男とちょいつきあいしてはダメを押していると彼は聞いていた。その線できているのだ。しかし、junさまは高校時代からの論客で、かなり逆襲し、論で抑え込めた。どうもそれがむしろ彼女を満足させたようだった。次回から、声色がファルセットになって、ぶりっ子風になっていった・・・気がする。態度が柔らかくなっていったのである。

 宮崎から出てきた学友(日向君とでもしておくか)などは彼女に押しまくられた口らしい。彼も宮崎では学生運動したり、ジャズを聴いたりのオピニオン、論客なのだが。

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 まあ、どうやら二人は次第に近づいていったようだった。しかしまだデートするにはいたっていない。そこでかどうかは知らないが、あるとき、突然、彼がいないときに、合コンやろうとなったらしく
、場所と時間・日にちだけが彼に伝えられ、必ず来るようにとのお達しがsumiちゃんのささやきで耳に入ってきたのである。場所はjunさまの学生寮に近い、日向君の安アパート。なんでまた、あの小汚い部屋で?うむを言わせぬ鋭い眼光で、スミちゃんはjunさまをじ~~~~と穴が開くように睨んでいる。

「わかりました」


 内心うきうきのjunさまであった。


続く

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