民族学伝承ひろいあげ辞典

文献・科学・考古学・遺伝子学・環境学・言語学・人類学・民俗学・民族学 あらゆるヒントを総合し、最新用語を解説、独自に解釈してわかりやすく説明します。 誰も書かない、目から鱗、鼻から牛乳、目から火花、頭の先からぴかっと電球

2008年09月

南方系神話の検討は一昨年2006年にこのブログを始めた当時、最初に犬祖伝説などから様々に分析している。当時は日本人南方起源に偏っていたことは確かである。その後、宝来聡氏や尾元恵一氏の遺伝子分析結果が出てきて、埴原氏ら文化人類学の南方からの来訪説は一時的に ...

精霊ニア・タアーカンボジアのクメール族の信じる去来する精霊。鳥獣虫魚山川草木に時として来訪し存在したあと、これまたいつかまた去って行く神。少数民族の神の多くはゴッドであり、妖精であり、悪魔であり、かつ妖怪、幽霊、悪神ともなる。こうした同時存在、ケースバイ ...

精霊ピー東南アジアタイ族の信じる精霊これはこの精霊に限らずであるが「浮動するピー」と「去来するピー」そして近年の「常駐するピー」の三つの時代的な観念がある。原始信仰の時代的変遷概念は文化人類学者の岩田慶治氏による。第一期 浮動するピー神格は未分化で、時に ...

ゴサインインド、ビハール州ラジマハール丘陵に居住する焼き畑農耕民・パーリア族が信仰する山の精霊(来訪神)。ダパニ村では集会所に長い竹竿=ジャンダを立て、その下にカンドウ・ゴサインという「ムラの神」がいると信じている。いわば日本のボンデンや朝鮮のソッテのよう ...

吉野の国樔●『日本書紀』応神天皇19年「吉野宮に幸す(いでます)。時に国樔人来朝せり。因りて醴酒(こざけ)を以て、天皇に献りて、歌して曰さく、 橿の生(かしのふ=カシ林)に 横臼(よこす)を作り 横臼に 醸める大御酒(おおみき) うまらに 聞こし持ち食せ ...

1950年の全国焼き畑分布図である。作成は佐々木高明『山の神と日本人』洋泉社 2006 より編集あまりなれていないため、ややおおまかになってしまった。正確な分布図は、興味ある方は上記著作の85ページをご覧いただきたい。なお、佐々木高明氏は前回の萩原秀三郎 ...

画像は伊勢・猿田彦神社の可愛い巫女さん。「日本の神楽の基本形は巫女舞にある。巫女舞はその場で右回り左回りに、回って回り返す。こうした旋舞の激しさを増すうちに、やがて神がかり、跳躍するに至り、神託を下す。神がかりの過程を意識して真似たところに、舞い(マワル ...

「花会」「花祭り」愛知県から長野県、甲信地方に多い花祭り(霜月祭り)は、お水取り結願日の「花会式(はなえ・しき)」に開始の原点がある。先だって行われる修二会(しゅにえ)では、五体投地(ごたいとうち)など練行衆による諸行事があり、花会式では薬師如来に諸病平 ...

With2ブログランキングへ「本田安次は『翁そのほか』で、翁にさまざまな翁があったことを示しているが、その中の一つに「祝詞の翁と開口の翁(のっとのおきなとかいこうのおきな)がある。開口の翁とは、平泉中尊寺に伝わる故実舞に出る翁で、中尊寺の勝景をたたえ、堂 ...

宿借り やどがり長崎県対馬の豆酘(つつ)の葬送儀礼に「宿借り」というものがある。喪主が葬送を済ませて家に帰ると、座敷の上がりがまちで家人と喪主がが次のようにやりとりする。「たのみましょう」「どう~け?」「一夜の宿を貸してください」「できまっしぇん」「浜の ...

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