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あく【灰=汁】


1 植物を焼いた灰を水に浸して得る上澄み液。アルカリ性を示し、古来、洗剤・漂白剤として、また染色などに用いる。
2 山菜や野草などに含まれる、渋み・えぐみなどのもとになる成分。「ウドの灰汁を抜く」
3 肉などを煮たときに、煮汁の表面に浮き出る白く濁ったもの。「スープの灰汁をすくい取る」
4 独特のしつこさや粘っこさなどがあって、なじみにくい個性。「灰汁の強い人」
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出典 小学館/デジタル大辞泉について 情報 | 凡例


「肉のアクは血液などが固まった物なので、牛肉のような赤身の方がアクが出やすいです。また、鍋のスープの温度が低いうちに入れるほうが、熱々の沸騰したスープに肉を入れるよりもアクが出やすいです。」



「あく」には「えぐいこと」と「悪いこと」の二つの語源が有り、どちらかがではなく、双方があいまっている可能性が高い。なぜならえぐさは日本料理にとっては「悪」なのだから。


あえて日本料理には、と書いたのは、日本の料理以外であくをとる風習など、世界中どこにもないからである。なぜ日本料理だけがアクにこだわったのか?

アクはうまみ成分そのものだと世界の料理人は教わる。なぜなら肉料理ではそれは血のエキスだからにほかならない。うまみ成分そのもを捨ててしまう料理人などありえない。すると日本料理の料理人がアク取りにこだわった理由は二つしかなくなる。まずは懐石料理などの高級料理での見た目である。いまひとつは同じ料理でのすっきり感が日本人の淡白であっさりを好むのにマッチするからだ。戦後の料理番組にプロの日本料理家が登場したために、家庭でもそれが常識化したのであろう。

しかしカレーやらの煮込み料理ではアクはむしろ捨てないでよい。そのままでよい。カレーやシチュウはその基本が西洋料理だからだ。


さて、問題なのは料理のアクだけではない。アクとはどういうことから無駄なもの、悪いものになったのかが民俗学では問題だ。


古い日本語で「あくと」「あくた」がある。
二種類の意味があり、正反対である。
文字通りの悪い土地、悪童のように生命力のあるの二つである。
大阪市茨木市に芥川がある。
東北には「あくど」地名が大変に多い。
https://blogs.yahoo.co.jp/kmr_tds/52381241.html?__ysp=44GC44GP44Go5bedIOWcsOWQjQ%3D%3D


「あくと」はあぶく、悪い、勢いがいい、暴れる、氾濫などのそれぞれ正反対の意味がある。
日本語の面白さだろう。


悪童を往古は「悪太郎」などと悪く言ったが、反面には「にくめない悪がき」「元気がよい」の意味もあった。巨人の名投手・堀内の仇名はこれだった。高校でたばかりで、非常に勢いがあり、素行もよくはなかったからだと本人が言っていた。


西洋の「悪魔」、メフィストフェレスも最初は天使ガブリエルである。堕天使=悪魔。
宗教の言葉には意外に東西で共通理念が見つかるものだ。


料理の灰汁はたしかに芥=あぶくでもある。
エキスなので味が濃すぎて、和食のだしを味わうような薄味では邪魔になる。しかし肉や魚を煮込むときにはむしろ重要で、特にソースを作る文化圏では、それを捨てるなどありえないことになる。

これが地名の場合、地形や地質を見てみないと悪か元気かわからないから、調べたほうがいい。氾濫する川なら芥川、悪戸川はそのとおりである。川幅が狭い支流で、山が近いので、急流である。まさに暴れる河川だ。必ず堰(せき)が必要である。そういう川にテレビの日本こころ旅の火野正平が行っていたので、思い出して書いた。危険地名である。

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飽く、灰汁、悪、芥、悪土、悪戸・・・
ちなみに秋田は古くは飽多で、低湿地であり、悪土由来地名である。八郎潟のような潟湖が多かった。あきたは古くは「あくた」、東北弁では「あぐだ」から「あぎだ」であろう。
埋め立てられて今は土地の意味もわかりにくい地形になった。しかし一旦豪雨などで土が表れたりすると、「そうか、そうだった」となる事例は多い。災害で初めて住んでいる土地の名前の意味がわかっても遅いだろう。調べておくほうがよろしかろう。




高知県の人口がどんどん減っているとニュースで聞いた。現在県の人口が70万人とは、地方都市程度ということ。全県で福岡市に及ばない。さすがに罪悪感を感じさせられる数だ。

あれほど東南海地震の近いことをテレビで言えば、それは出て行く人が増えるだろう。
だから特定地域や地形図や一覧表をここで使わないでおく。



nikujaga2

肉じゃがなど 作る時には思い出せ アク地名はあなたのそばになきや? 



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