中国は過去、内向的国家だった。
その証拠品こそが万里の長城である。

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外敵・・・特に騎馬民族に中国は翻弄され続けた。
だから外壁で国を囲い込む。

しかしその壁が中国にとって、反対に国家を内向・・・つまり引きこもりにしがちになる。

騎馬民族は正反対に侵略をこととした。それは気候変動のなせるわざだった。
対する中国は、古代~近世まで、ほとんど遊牧民世界へは侵略しない。
侵略は弱い相手ばかりだった。朝鮮半島だ。

ひとえに朝鮮半島は中国によって翻弄され、された尽くしたあげくに、
とうとう属国となり、易姓革命させられてしまう。儒教と道教のしもべとなって、中国に認められることにまい進した結果、姓名まで中華風にしてしまう始末だ。

中国は半島、遼東ばかりをいじめ続け、西や北へは刃を向けず、ほぼ侵略的な西欧文明から見ると、3000年間、まことに引きこもった世界だった。

だから今になっても、彼らは西欧的なマナーやルールにうといのである。だからその点には鷹揚になるべきだ。

日本は、明治時代から西欧文明を積極的に取り込み、世界に自分たちをあわせようと努力した。だから西欧的なマナーとルールには詳しい。しかし、困ったことは、西欧の一番の問題となる積極的侵略・・反面でグローバルな方向へと真似してしまった。言い換えるとそれが当時の近代化だったからだ。

その間、中国と朝鮮民族は、どんどん内向的になる。

日本にも内向的時代が多々ある。
江戸時代の鎖国政策の時代はその代表で、平安時代、飛鳥・奈良の藤原氏の時代もそうだった、蘇我氏んp時代はグローバルだったが、三代しかもっていない。天武も一代だ。あとの持統以後は藤原内向時代である。

では現代日本も、それらの時代のように内向的な鎖国すべき時代だろうか?それは違う。日本は戦後以来、アメリカ型の欧米科学・客観・自然科学・理論的な民主主義を目指したのだから、グローバル世界を志向してきた国家だ。そこには中華思想や藤原国風思想や徳川鎖国思想はありうるはずもない。いまさら、そこへ向うにはスイスのような軍事力で守るような唯我独尊が必要であろう。


少なくとも日本は社会主義国家でもなく、右過ぎもせず、侵略国家・植民地主義。帝国主義国家でもない。日本が目指すべきなのは、自由・平等の西欧型文明のよいところを取り込み、それらを合理的に解釈して、世界に冠たる平和世界を築くことである。

日本は、どのアジア世界とも違う、先進国家となりえた。そこには古代には中華思想や儒教のしもべとはならないしたたかな独創性があった。儒教や道教や仏教を、いい、加減の、適度な理解をしてきたし、決して半島のような帝国にすがる犬のような国家にもなっていない。尻尾は振らず、明治以降はむしろ西欧を凌駕し、ロシアや中華や朝鮮をリードする国家にならんと欲した。結果的にそれは帝国主義・全体主義・植民地主義でしかなかったから失敗を犯したが、それが反面教師となって、どのアジア国家よりも先んじて近代国家をなしとげることとなった。


世界は今、民族主義(ナショナリズム)に支配されようとしている、しかしそれをやろうとしている欧米に、特にEUにはもう団結力と実力がなくなり始めてもいる。ナショナリズムでは世界はひとつにはならない。ばらばらになるだけである。このままいけば、自由主義社会は崩壊することだろう。そのときまでに新しいイデオロギーが必要だ。