ミミは御霊から。
人体の耳も同じ。音、声には神霊が宿るという信仰。

「耳は御霊、つまり霊の宿る所であり、始原的には、人間にとって耳で聞くことが、霊威を感じ、最も基本的な神意を判断する行為であるとの観念があった。不老長生の象徴であると角とともに、わが身をまもるために微細な音をもとらえることができる鹿の耳は、鹿を聖獣視するもとになった器官であった・・・」
平林章仁『鹿と鳥の文化史  古代日本の儀礼と呪術』白水社

ミミは三国志魏志倭人条に現れる官職名。

又、一海を渡る、千餘里、末廬国に至る。四千餘戸有り。山海に濱(そうて)居る。草木茂盛し、行く
に前人を見ず。好んで魚鰒(ぎょふく)を捕え、水深浅と無く皆沈没して之を取る。東南陸行、五百里、
伊都国に到る。官を爾支(にし)と曰い、副を泄謨觚(せもく)・柄渠觚(へこく)と曰う。千餘戸有り。世々王有るも、皆女王國に統属す。郡使の往来、常に駐る所なり。東南奴國に至ること百里。官を蒋馬觚(じまく)と曰い、副を卑奴母離と曰う。二萬餘戸有り。東行不彌國(ふみこく)に至ること百里。官を多模(たも)と曰い、副を卑奴母離と曰う。千餘家有り。南、投馬(つま)國に至ること、水行二十日。官を彌彌(みみ)と曰い、副を彌彌那利(みみなり)と曰う。五萬餘戸なる可し。南、邪馬壹國に至る、女王之都する所、水行十日、陸行一月。

ミミがつく神名
須賀の八耳=出雲のアシナヅチ
神八井耳命=阿蘇氏、多君の祖となる神。新撰姓氏録では神武天皇の子供のひとり。 
神渟名川耳=神武天皇の嫡子。綏靖天皇。
手研耳命=隼人系の母と神武との間に生まれた神武の最初の子供。神八井耳たちに殺される。
日子八井耳=日本書紀に書かれた神八井耳の弟。肥の君の祖。
天忍穂耳=天孫ニニギの父親。アマテラスの息子。英彦山神宮の祭神。

人物
耳垂=賊
豊聡耳=聖徳太子の別名