歴史用語
厳密には日本書紀に4世紀に列島に渡海し、朝廷に帰順したと書かれた氏族。
戦前は「帰化した外国人」という意味の「帰化人」と言われていたが、戦後の国際状況をかんがみて渡来と言うようになった。本来、そこに差別的観念はない。しかし渡来はいささかあいまいに過ぎる表現で、これでは時代の定義が難しくなるのは否めないだろう。むしろ帰化人の方が時代が限定しやすい気もする。

具体的には「秦氏」「吉志氏」「西文氏」「東漢氏」「和邇氏」「息長氏」などが含まれる。

しかしこれ以前にすでに応神という人物の日本書紀での書かれようには、どうみても渡来の匂いがにじんでいる。
また、広義の海を渡った人たちという意味では大概の貴族層たちはそうであろう。先進文化を持ち込んでくれたととらえれば、やはりありがたいことだとは言える。

もしその前に「古い渡来」があったとすれば、当然、大和朝廷の統一ももっと早くに設定できる可能性が高くなるはずである。森浩一氏はそうした示唆を自著の中で書いている。

特に、日本は島国であるから、当然、縄文時代あるいはそれ以前から誰でもやってこれたはずである。それをして「渡来」とは呼ばないのは、まだ学会がそれを認知・発掘確認していないからだろうか??立地条件を考えればないはずはないのだが。