祝言人(ほがいびと) 「まれびと」「漂泊民」とも言う。

つい先頃まで各地に正月に訪れていた三河万歳、獅子舞、猿回し、注連縄行商人などは皆、よくよく考えてみれば「まれびと」であった。
来訪する漂泊者を乞食人とも書いて「ほがいびと」と呼ぶ。

これは西欧では吟遊詩人、サーカスなどの漂泊する芸能民や、ジプシー(ロマ)、あるいは古い朝鮮時代の男寺党(ナムサダン)などに該当する。特にアジア諸国では全域に渡って今なおこうした旅回りの芸人達が活躍している。
インドでも彼等はアウト・カースト=賤民という認識で、半ば畏れられ、半ば蔑まれながら各所を回っている。「疎ましいが、不可欠な」存在(姫野翠)なのである。なぜなら彼等が芸能によって厄をはらってくれると信じられているからである。
しかしながら彼等は差別の対象となり、絶対に一般家庭には入れてもらえない。「聖」であるにもかかわらず同時に「穢」とされて、「俗」には決して交われない。これほどの差別はこの世に存在しないと言って良い。彼等を見たり、彼等と話したり、彼等の近くで過ごした者でなければ、この差別感は実感できないだろう。

一般の「俗」の人々は「?」「うそ」「そんな人は見たことがない」「そんなものはいないよ」「なぜ差別されているの?」程度が関の山の感想である。
ピンと来ないのも仕方が亡く、そういう存在について、昔は祖父母から親へ、親から子へと、申し送りが
ちゃんとあったのだが、核家庭化した現代では誰も知らなくなっているのが現状で、もちろん学校でもそんなことはひた隠しにする。
だから成長して彼等に出合ったとき、とんでもないことになる場合も起きる。

しかし核家族は実に多くの因習、伝統、情報を捨ててしまうことになった。
ほがいびとは外の情報を大量に持ってくるオピニオンでもあった。


俗をハレとするならば、彼等はヶの存在だったと言えるだろう。
今でもこの血脈から登場してくる芸能人は多い。
幸多かれと願うものである。



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