HP18万アクセスと民族学ブログ7万人来訪を感謝して記念シリーズ・「装飾古墳のすべて」を10回シリーズで暫時アップしてまいります。ちょうど九州は今、秋の装飾古墳公開ラッシュに沸いているころですので、タイムリーな情報になるかと思います。
ここをご覧になった方は今度のお休みにお出かけくだされば幸いです。11月3日からは菊池川沿線の装飾古墳が一斉公開されますし、ちょうど九州国立博物館でも開館四周年企画「九州の国宝展」がバーチャル企画満載で開催中です。http://www.kyuhaku.jp/exhibition/exhibition_s17.html

11月11日からは同展示場に稲荷山古墳鉄剣と江田船山古墳鉄剣が並んで展示!!というマニア垂涎の情報も。
http://blog.livedoor.jp/warabite/archives/50918540.html
また来月11月7日(土)からは熊本県装飾古墳館では「茨城県の装飾古墳」展も開催されます。
みなさんの古代史への扉を開くよいチャンスになろうかと思います。なんといっても文章よりも装飾、そしてバーチャル、ビジュアルが一番理解しやすいですので。

PS ・・・と思ったけれど、よく見たら装飾古墳公開については山ほどサイトがあるみたいなので、このシリーズはそちらにまかせるとして・・・特集シリーズはKawakatuらしい別の企画に切り替えようと思います。

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『豊後国風土記』速見郡(旧別府市と日出町)の条
「此の村に女人有り、名を速津媛と曰ひ、其の處の長為り。即ち、天皇の行幸しますと聞きて、親自ら迎へ奉りて奏言を聞きさく。此の山に大きなる磐窟有り、名を鼠磐窟と曰ひ、土蜘蛛二人住めり、其の名を青、白といふ」


しろうとが考古学と言うにはおこがましいのだけれど、先日お邪魔した別府市鬼ノ岩屋(鬼の岩屋。どっちでもいいそうだ)古墳の装飾がほとんどわからなかったため、コントラストと色彩を調整して、たぶんこうじゃないか?というものを作ってみた。
まずは2号墳だが、同心円紋が二つあるというが確認できるのはひとつだけだった。
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そこでたぶんその横にある赤い線がその一部ではないかと考えてみた。するとこうなる。
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自信はまったくない。いかがなものだろう?的外れか。
2号墳にはこのほかに双脚輪状紋と三角紋、蕨手紋があるとパンフレットにあったが、まるで想像がつかない。しまったと思ったのは遺体を置く屍床(ししょう)の写真を1・2号墳ともに撮り忘れたこと。
2号墳の石室は単式で石屋形ではなく、玄室奥に一段高い屍床があるだけの構造で、1号墳よりも一昔前のオープンな埋葬様式である。このやり方は九州独特で、いつでも死者の顔が拝めるというアットホームな観念で作られており、大和の石棺に密封する方法とは死生観の相違があることがわかる。
広さは非常に広い。
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単室と複室の構造の違い(パンフレットから)
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2号墳屍床(パンフから)
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熊本県大野巌古墳の石屋形構造
http://blog.livedoor.jp/warabite/archives/50836669.html


1号墳は石屋形(いしやがた)式で複室構造、前に石障(せきしょう)がない様式である。石屋形様式は屍床から発展した様式で、大きな薄い石板を組み合わせて、前をのぞく周囲を囲み、家型の蓋を上に置いた、簡易な家型をなす。肥後のチブサン古墳などと同じ「肥後様式」であるからここの被葬者は火君あたりとえにしがあったと言われている。
装飾は豊富に描かれていたらしいが、こちらもしとうとにはさっぱりわかりずらくなってしまった。
石室全体が真っ赤に塗られ、そこに靫、とも、弧状紋、連続三角紋(山形紋)などが描かれていたそうである。


たぶんこうじゃないか?




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1号墳石屋形内部の敷石
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靫(ゆき)・とも(ホムタ・腕につける弓弦の弾きを緩衝する道具で応神天皇ホムタワケの名前の由来)・日輪、船、弓・・・となれば日田から肥後、有明海に多い図柄。ゆえにこの被葬者はまず火君や大伴氏靫部の関連である。北西にある横穴群がその配下か?
記録では豊前の秦首の下に海部、宗形部、津守などの部民が付き従っていたから、さまざまの技術者が配下にいたはずである。古墳を作った人々は秦氏眷属の茨田(まんだ)部や埴輪製作者の土師部であろう。

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鬼ノ岩屋古墳についてはかわかつワールドの画像もごらんください。
次回はヒャーガンサン、チブサンなどの装飾古墳の絵をアップする予定。

また知己である蕨手氏の装飾古墳今昔紀行は、今はもう見られない数十年前の状態まで見られるよいブログなのでおすすめしておく。http://blog.livedoor.jp/warabite/

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