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○長江から来た弥生人
長江流域からやってくる長江文明人(O系統)たちは、現地でベトナムと華北へ移動している。ベトナム人Y染色体亜型の14%がO2b遺伝子系統を持っている。
O2b系統はオーストロアジア系人種の特徴である。
このときまでにO1とO2とO3に分岐している。
長江文明を形成した人々はこのO系オーストロアジア系アジア人だった。

このO系統のもともとはアフリカを出るときはCRから68,500年前に分岐したF系統(出アフリカ第三グループ)で、やがてインドからKへ分岐しながら東南アジアでNOに分岐する。この内、Nは8830年前に日本に到達、Oはその後、さらに分岐しながらO2bとなって8000年前頃にはNとともに列島にたどり着く。
現代人でO2bを持つ人々は、
アイヌ=0
東京=26
北琉球・沖縄=30
南琉球・八重山=67
タイ=6
ベトナム=14
インドネシア=20
朝鮮=50
満州ツングース=4
ブリヤート=2
であり、漢民族、チベット、モンゴル、ミャオ・ヤオ、シナ・チベットでは0である。

朝鮮民族の50%を締めることから、O2bはあきらかに朝鮮半島経由でやってくるはずである。
しかしながら、琉球の南部がO2bをもっと高い比率で持つ。琉球南部人はオーストロネシア系よりもオーストロアジア系の比率が高いことがわかる。
これはO2系統に南北二つの流れが生じたことを示し、それは華南における始皇帝国家統一による呉・越・楚各国アジア人の南北移動に合致する。したがって日本列島へは大きくベトナム経由で南から南琉球まで到達する流れと、華北から半島経由で北部九州へとたどりつく流れがあったことになる。南琉球人にオーストロアジア系の文化と言語があったことになる。

その後、11世紀以降に西九州(長崎)弥生人が大量に琉球列島に入ってきたことで、北琉球人にもO2bが入ってきたと見られる。琉球文化と言葉は大きくその影響を受けた。しかし言葉については西九州人は長江の言葉ではなく、先住C系統やD系統縄文人が使っていた日本語=古い大和言葉を使っていた。
ここから日本語の派生元は先住縄文人が長い歴史の中で作り出してきていた日本独自の言葉であり、やってきた少数派である長江人たちは、これに順応したと見るほうが正しいと崎谷は書いている。
やはり半島語の大きな影響はこの場合も考えにくいようだ。

O2系統の中でO2aは長江文明を築いた長江文化人の持っている形質であるが、O2が分岐する場所がまさに長江南部であり、そこで分かれたO2bもまた長江人の形質であると考えられる。


○先住旧石器Q、新石器人C3、縄文人D2系統の分析
これらの中で、現在、圧倒的に日本人の父方遺伝子の割合が高いのがD2である。
アイヌ=88
青森=39
新潟=48
東京=40
静岡=33
徳島=26
九州=28
北琉球・沖縄=39
南琉球・八重山=4(オーストロアジア系)
その他すべてのアジア人=0

つまり縄文人は日本にしかいないことになる。
そしてこの縄文の形質D2は、華北起源である。そして現在、D系統を持っている民族は日本人、チベット人(D3)、そして華北人(D1)だけである。

C3系列はシベリヤ・バイカル湖周辺が起源である。
現代日本人のほとんどがこの二つの形質を、最初の旧石器時代から2万年以上経った今もなお、高い割合で持っている=85%。ここに弥生時代早期にO2bが入り込んだのである。この南方形質は、しかしながら縄文や先土器時代の人々が交じり合っていた先住民を凌駕することができなかった。文化と最新技術を持ち込んで、それは大流行させたものの、先住者たちを押さえ込み、滅ぼし、言葉を変えたりできなかったと見られる。
N系統はO系統に付随するようにやってくる。実はこのN系統は不思議なことなのだが、ユーラシア北西部のウラル系民族に多い。つまり北欧先住民の形質なのである。ところがこれが日本人に発見される事例・報告が複数ある。この北欧形質の来訪の謎は、現在のところ解明できていない。ありえない事例であるが、確かにわずかに存在するのである。O系統のオーストロアジア人とともに半島経由でやってきたウラル系民族が果たしてあったのだろうか?今後の分析に期待したい。母方優勢の理論からはまったく理解不能。

注意! 旧石器、新石器時代と縄文早期なら陸と列島はまだかろうじてつながっていただろうが、縄文前期以降では船でくるしかない。C,Dは陸伝いでこれたが、O、Nは船に頼るしかない。

もうひとつ、琉球南部と北部、そしてアイヌをつないだのは西九州人だった。アイヌと琉球には類似点が少ない。アイヌは琉球よりも本土縄文人に近く、しかもきわめてシベリアのC・D系統を大量に保持している。アイヌと琉球のつながるのは中世の西九州人の血によってであるという。そして北と南琉球には言葉と血統に大きな断裂があった。沖縄と八重山諸島の間には大きなへだたりがあった。ゆえにアイヌは最初から北海道におり、そこから古代には一歩も出ていないという結果になる。ということは、アイヌは生きている日本列島最古の先住民であると断定できる。縄文人との混血もほとんど見あたらない。D2純血種に近く、世界的民族学・人類学上、きわめて貴重。弥生人との混血はすでに歴史的過去ではなく、今もどんどん進んでいる。これは行政が誤った同化策をとったゆえんであり、その学問上の無知は責められてもいたしかたがあるまい。さらにアイヌが食料としてきたエゾシカの保護もやりすぎた。一番問題なのはオオカミを絶滅させたことである。おかげで、かつてアイヌによって数量バランスがとれてきたシカを、今は弥生人である日本政府が殺傷せねばならないという本末転倒を引き起こし、税金も使われている。


歴史的矛盾が早く解決されることを願う。

なお、「渡来」いわゆる古墳時代以降の半島系渡来人がやってくるのは、遅れて4世紀以後。ここからも半島語が日本語に影響を与える可能性は極めて低くなる。


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