暦使用示す最古の例…福岡で「庚寅」銘入り大刀
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110921-00000688-yom-soci
 
最古の暦、大刀に銘文=「庚寅」、570年か―日本書紀裏付け・福岡

「福岡市教育委員会は21日、同市西区の「元岡古墳群G6号墳」(7世紀中ごろ)から、570年とみられる干支(えと)の「庚寅(こういん)」などと刻まれた象眼大刀(たち)が出土したと発表した。554年に百済から暦がもたらされたとする日本書紀の記述を裏付けるもので、市教委は「暦が実際に使われたことを示す史料では国内最古といえる」としている。
 市教委埋蔵文化財第2課によると、大刀は鉄製で長さ75センチ。表面がさびており、X線撮影で刀身の背の部分に文字が刻まれていたことが分かった。銘文は「大歳庚寅正月六日庚寅日時作刀凡十二果■」(■は「練」の可能性)の19文字。「庚寅の年の正月6日に、この刀を作った。12回練り鍛えた」と読める。」
 
暦刻んだ大刀出土 福岡市西区・元岡古墳 「庚寅」の文字、570年製造か
画像つき毎日新聞
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/264501
古墳から銘文が入った刀剣が出土したのは全国7例目で、干支(かんし)や年次と月日を組み合わせて表記された刀剣が発見されたのは初めて。
 日本書紀によると、暦は554年に百済から来日した「暦博士」から伝わったとされる。九州大学人文科学研究院の坂上康俊教授(日本古代史)は「暦博士は中国の宋時代に使われ始めた『元嘉暦(げんかれき)』をもたらしたと考えられ、銘文は日本列島で元嘉暦を使いこなしていた証拠とみてよい。わが国最初の暦使用の実例として画期的な資料」としている。
 大刀は長さ75センチ。エックス線撮影で、背の部分に長さ13-14センチにわたって「大歳庚寅正月六日庚寅日時作刀凡十二果□」の漢字19文字が確認された。19文字目は判読できず、製造場所などは確認されていない。
 市教委は、年を示す「庚寅」のほかに「正月六日庚寅」と日付の記載があることから、年と正月六日の干支がともに元嘉暦で庚寅となる570年に製造されたとみる。
 大刀が出土したのは元岡古墳群G6号墳(直径18メートル)の石室で、古墳時代では国内最大級の全長12センチの銅鈴(どうれい)も一緒に見つかった。被葬者は有力豪族と考えられるという。
 市教委は23日午前10時-午後1時に西区元岡の発掘現場で現地説明会を開く。現地事務所=092(806)2393。
 
●福岡市西区元岡遺跡群
「大寶元年」の木簡も
 
●元岡・桑原遺跡群の所在地
福岡県福岡市西区元岡 九州大学伊都キャンパス内