1 筆者のためのイスラーム概論

■イスラームとは何か
「イスラム教(いすらむきょう)またはイスラーム(稀にイスラーム教)とは、唯一絶対の神(アラビア語でアッラーフ)を信仰し、神が最後の預言者たるムハンマドを通じて人々に下したとされるクルアーン(コーラン)の教えを信じ、従う一神教である。」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%83%A0%E6%95%99

「預言者エイブラハム(アブラハム)の預言を引き継ぐ宗教のひとつ。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%96%E3%83%A9%E3%83%8F%E3%83%A0%E3%81%AE%E5%AE%97%E6%95%99
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■イスラームの成立
ユダヤ教、キリスト教、バハーイー教、シーク教などの教義の影響下で、西暦610年ラマダン月に、ナザレのイエスの信徒を自称していたムハンマド(モハメッド)が、聖書にある大天使ガブリエルに相当する天使ジブリールから唯一神アッラーの天啓を受け、アラビア半島でイスラームを広めていった。
つまりイスラームはユダヤ教やキリスト教から受けた影響下で成立した、キリスト教の宗派だと言っても過言ではなかった。その後迫害を受けながらも信徒は増大。

■カリフ
ムハンマドの代理人。教主死後に成立。つまり跡継ぎである。

■ムスリム
イスラームに帰依する信者

■イスラームは世界最大数のムスリムを抱え始めている
「今日、ムスリムは世界のいたるところでみられる。異論はあるが、11億人の信徒があると推定されていて、世界で2番目に多くの信者を持つ宗教である。ムスリムが居住する地域は現在ではほぼ世界中に広がっているが、そのうち西アジア・北アフリカ・中央アジア・南アジア・東南アジアが最もムスリムの多い地域とされる。特にイスラム教圏の伝統的な中心である西アジア・中東諸国では国民の大多数がムスリムであり、中にはイスラム教を国教と定め、他宗教の崇拝を禁じている国もある。もっとも、世界的に見ればムスリム人口の大部分は中東諸国以外の人々であり、世界のムスリムに占める中東諸国出身者の割合は20%に留まっている[要出典]。」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%83%A0%E6%95%99

つまりイスラームは現在、唯一信者をどんどん拡大していて、キリスト教をしのいで世界最大になりつつある宗教だと言ってよい。
→世界三大宗教=キリスト教20億、イスラーム11~13億、仏教3億6千万人(推定)
なお、信徒数で考えた場合は仏教よりもヒンドゥ教(約9億人)が仏教をしのぐ。三大宗教とは数ではなく、「民族・地理を超えて広がる」「一国内にとどまらぬ世界的な」という意味がある。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%96%E7%95%8C%E4%B8%89%E5%A4%A7%E5%AE%97%E6%95%99
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       メッカ



■コーラン(アル=クルアーン)
「イスラム教の教典(聖典)としてすべてのムスリムが認め、従うのは、アラビア語で「朗唱されるもの」という意味をもつクルアーン(コーラン)唯ひとつである。 クルアーン(コーラン)はムハンマドが最後の予言者として語った内容が、ムハンマドおよび後継者の代によって編集され、書物となったものである。

アダム・ノア・アブラハム・モーセなどの預言者たちが説いた教えを、最後の預言者であるムハンマドが完全な形にしたとされている。

なお、クルアーン(コーラン)は極めて簡潔で、知識のないものには簡潔すぎて理解できない。後継者の代によって記述されたハディースをクルアーン(コーラン)のあとに読むと理解が深まる。」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%83%A0%E6%95%99

■スンナ(スンニ)
「ムハンマドが自分自身の言葉として語ったものや、ムハンマドの行動をスンナ(慣習)として尊び、アル=クルアーンに次ぐ指針としてきた」

■シーア
「3代カリフの死後、4代以降の座を巡って、ムハンマドの従兄弟アリーとその子孫のみがイスラーム共同体を指導する資格があると主張する一派」

■イスラーム原理主義(一般にイスラム原理主義)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%83%A0%E5%8E%9F%E7%90%86%E4%B8%BB%E7%BE%A9
この中のひとつにイスラーム過激派、ビン・ラディン派がある。
つまり原理主義そのものは特に過激派ではなく、「クルアーン(経典コーラン)の無謬を信じて厳密に字義どおり解釈し、ムハンマドの時代のウンマ(イスラム共同体)を復興させようとする運動のことである。イスラム法に基づく社会の実現を目指しているため、近代的価値観や西洋的価値観の流入への抵抗運動としての側面もある。」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%83%A0%E5%8E%9F%E7%90%86%E4%B8%BB%E7%BE%A9

■原理主義とは何か
ちなみに「原理主義」という英語の始まりは「キリスト教原理主義」から始まる。
「「イスラム原理主義」という日本語表現は、本来は、イラン革命などのイスラム法(シャリーア)による統治の復活を唱えるイスラム教徒による運動を指してアメリカなどで英語で「Islamic Fundamentalism」と呼んだものの日本語訳である。

Islamic Fundamentalism という語が用いられ、定着する以前においては、Fundamentalism(原理主義)という語はもっぱら、プロテスタントの中でも米国を中心とした一派で聖書に関して逐語霊感説をとり一字一句字義通りに理解し、千年王国の到来を固く信じる "Fundamentalist Christianity" (ファンダメンタリスト・キリスト教)、あるいは "Christian Fundamentalism" (キリスト教根本主義)を指した。ただし、日本のキリスト教界では「根本主義」という訳語が好まれており、「原理主義」というのは外部から用いられる呼称である。」



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最も重要なことは歴史的にこの宗教が西欧に対して排他的だったということ。
これは日本人や倭種の融通無碍、南東オーストロネシアンたちのカーゴ運動などの融和的、合理的、かついいとこ取りの日和見的思想とは対を成す観念であろう。

非合理と不条理に満ちた、頑固なイメージを持たれるゆえんもここにある。
そしてその一貫した西欧への排他性が原理主義過激派を産み、中東戦争の火種の最大の原因となっていく。

ムハンマドの当初の理想にはなかった、中東の歴史的不幸がそのままカリフたちによって代々排他性を加えられていったことがわかる。つまり中東問題を解決する第一の糸口は「豊かさ」の享受であるのだが、ところが排他性こそは、享受することを屈辱としてしまい、突破口はなくなってしまうようなのである。基層の部分にあるこの心理的排他性は、3000年以上の砂漠での歴史そのものから生じているため、容易に北半球の恵まれた世界からは理解が難しい。

大雑把な古代史観で考えると、そもそもは世界的に恵まれたバビロニアやレバント地方が砂漠化したのは、地球環境の大変化のせいである。劣悪化しても彼らはそこに居続けた・・・それについてまさに世界的にずっと恵まれた環境に住んできた日本人であるわれわれがとやかく言えることは何もない。なぜ?と首を傾げるが、理由などあろうはずもない。
それは津波と原発によって、他県人が見たら、ほとんど住めなくなってしまったであるとしか見えない福島太平洋岸から容易には離れない、福島県人にわけを聴く人は居ないのと同じことだろう。今回の地震で他府県が用意した住居への移住者は今のところほとんどいないようである。
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預言者ムハンマド どこか東洋風と西欧風が入り混じる。というよりも人類の歴史からはすべては中東から始まる。東西双方の世界がここから始まったと考えるほうが整合。


いずれにせよ、同じイスラームのムスリムでも、石油資源その他の資源があって、豊かに暮らす人々と、そうではない地域の人々との格差は大きい。バーレーン、バルカン半島、サウジ、クウェートなど石油国家は現状いたって豊かで、過激派も存在しない。しかし北アフリカ、アフガン、イラン、イラク、バングラデシュなどなどはいつも紛争が起きる。
もちろん民族間闘争も大きな要因になっている。

そして原油がここにあるということは、西側自由主義社会も共産圏も、ともに今しばらくはイスラーム世界とのよいつきあいを続けていかないわけにはいかないということを示しているわけである。中東問題は中東の中で解決するのが望ましい。しかしながらすでにそれから1000年以上の歳月が経過してしまった。

とにかく、われわれは中東問題とイスラームを=に考えることはしないでおかねばならないのだろう。つまり差別しないということだ。

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タージ・マハ-ル インドの王宮と思っていた人も多いが、ムガール帝国王の妻のイスラーム墓廟である。

次回、中東地域の古代史概論/日露戦争とイブラヒームによるイスラ-ム世界の日本礼賛


参考文献
マイケル・ハミルトン・モーガン『失われた歴史 イスラームの科学・思想・芸術が近代文明をつくった』平凡社 2010
後藤明『ビジュアル版 イスラーム歴史物語』講談社 2001


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