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まずはさわりとして、かねてより、オーパーツ(そこにありえないはずの時間を無視した古代遺物)とされて、その意味がわからないままであった「デンデラの電球」を解明しておきたい。

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これを好事家たちは古代エジプトに電球が存在した証拠であるとする。
ところがこれがどうやら古代人共通のリンガ(大地母の母性をかねそなえていった男根)や生贄、共食い、首刈り、神への聖餐儀式の道具のひとつであったということに、大和岩雄の『魔女論』を読みながら気がついた。

いささか長い引用であるが、以下にその形態の謎を解くサイトの記事をまず掲載する。


●デンデラのハトホル神殿の地下室にあるデンデラの電球の浮き彫りとバグダッドバッテリー   
「エジプトのナイル川の流域にあるルクソールから北に約 50kmの所にデンデラ(Dendera)があり、そこにあるハトホル神殿(Temple of Hathor 建設時期は紀元前1世紀頃)は女神の母といわれるハルホトを祭った神殿です。
この神殿の構造物は主に砂岩で出来ていますが、地下室の重要な浮き彫りには精密な描写が可能な石灰石が使用されています。
その神殿の地下室にある精密な浮き彫りの中に電球を思わせる絵があり、デンデラの電球(DenderaLamps)として有名になりました。

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第1の浮き彫りは中央の電球状の楕円形の中には蛇が描かれていて、この蛇をフィラメントに見立てると電球になり、左側の司祭がこの電球を操作しているように見えます。
電球の大きさは長さ約は2.5m太さが最大約1m、最小0.5mで、その左端にある口金からは電気を接続するケーブルと思われるものが右側の箱に接続されています。
この箱は電源装置ではないかと思われています。

更に、蛇を右側で支えているのはフィラメントの支持物かまたはケーブルの太さから高電圧の放電管を想定し、放電管の電極を支持する物ではないかと考える人もいました。
紀元前一世紀以前にそのような電球を点灯させることが出来たのか、大いに疑問ですが、たまたま、1836年バグダッド近郊で約2000年前に作られたと見られる不思議な陶器製の容器が発見されました。その容器の内部には銅版で出来た円筒があり、アスファルトで出来たふたで円筒と鉄棒は絶縁されていること、鉄棒はふたを突き抜けていることから、1940年にドイツのコーニングは、この陶器の容器に電解質をいれると電池になるという報告をしました。これがバグダッドバッテリー(Baghdad battery)です。





この容器がエジプトの電球を点灯させるのに使われたのではないかと考える人がいて、一時論争になりました。決着はすぐに付いたようです。
それは、バグダッドバッテリーの性能が悪く、とても電球を点灯するだけの電気を供給するころが出来そうに無いことと、エジプト神話に描かれるレリーフの解釈が確立していて、電球説を擁護するような解釈が不可能であったことです。

ハトホル神殿の浮き彫りのエジプト学からの解釈は大晦日に行われる祝賀式を説明していて、メインテーマは太陽が旧年の最後の日を向かえ、そして、新年の最初の朝を迎える過程を説明することです。
世界創生のときにナイル川が大洪水を起こし、大洪水が収まり最初に水面上に現れた丘がデンデラの地で、古代エジプトの人々はハトホル神殿がその位置に当たると信じていました。
そして、暗黒の世界を照らし出す最初の太陽がその地から昇ったと考えていました。
その地下室には太陽が西の空に沈むと、夜の間に地下の世界(冥界)を通って西から東に太陽と朝の空を運び、再び朝日が昇る過程が絵物語と象形文字で語られています。
まず、古代エジプトの人々は蛇が脱皮を繰返すことから暗黒の夜から脱皮して新しい朝を迎える日の出を象徴するものです。

第1の図では朝の空を表す楕円形とその中の蛇が朝日(太陽)で、頭飾りの付いた柱(Djed pillar)は太陽である蛇(Harsomtus)を、台の上に座る女神(Heh)は朝の空を共に冥界を通って西から東に船に乗せて運ぶ準備をしています。




第2の図では頭飾りの付いた柱が太陽を復活させると、





第3の図では台の上に座る女神が朝の空を押し上げます。






この第2と3の絵は相互のつながっていて、東の空で朝日を昇らせる作業をしています。この神様達はこれを毎日(永遠に)繰返すことになります。
太陽は必ず冥界から復活できるとは限らないのです。古代エジプト人は死んだ人(神も含む)の魂は冥界の判定の部屋に導かれ、第1図の右端のアヌビス(Anubis)によって死んだ人は真実程度を表す心臓が取り出され、その重さを鳥の羽と比較され、重ければ真実(合格)であり、冥界のオリシス神によって空に留まることが許され次の復活(現界に生き返る)が許され、軽いと罪(不合格)でありデーモンであるアミットに心臓が与えられ、アミットが心臓を食べてしまうと次の復活ができなくなると信じていました。
この神話では太陽も例外ではなく、太陽も日没にはアヌビスの判定を受けることから、必ず復活するという確かな保証は無く、太陽の周期を1年と定めたので、太陽の勢力が最も衰える大晦日には太陽が無事に復活できるようにお祈りの儀式を行う必要がありました。
太陽の確実な復活を祈念するための大晦日の夜から新しい年の初めにかけて行われる祝賀式は、太陽が最初に昇ったとされるデンデラのハトホル神殿の地下室から出発することになります。

第1の図では朝の空を冥界を通って西から運ぶ準備をしています。その詳細は以下のとおりです。


Ka(Harsomtusの魂)Kaは魂で人間が死ぬと亡骸を残しますが、そこから抜け出したものが魂で、それを物理的な形に表現したものがこのKaです。ここでは朝日(Harsomtus)の魂を現しています。

朝の空(楕円Duat)古代エジプトでは楕円のシンボルは元来、死後の世界(冥界)を示す言葉でDuatといい、一般には朝の空を意味するようになりました。

朝日(蛇Harsomtus) 
 蛇は脱皮することから暗黒の夜から脱皮して新しい朝を迎える日の出を象徴しています。 蛇はエジプト神話では女神の母ハトホル(Hathor)の息子であるハルソムタス(Harsomtus)を現していて、彼は朝日の象徴としての役割を持っています。ハルソムタスは生まれたばかりの太陽であり常にデンデラから空に昇ります。

太陽の誕生する場所(はすの花)  太陽は洪水が収まって最初に出現した丘(デンドラ)から昇ると考えられていて、はすの花は水から茎を出してつぼみを膨らませ花を咲かせることから太陽が新たに誕生る場所を象徴しています。

太陽を運ぶ船(はすの茎)   ここでは極端に抽象化されていますが、太陽を運ぶ船を意味しています。

箱の上に居る女神(Heh)は空を運び日の出を手伝う
太陽は毎朝、冥界から甦ると考えられていて、太陽は日没によって死の世界に入ることから、必ず復活するとは限らないとされていて、箱の上に居る女神や頭飾りの付いた柱(Djed pillar)が助けることによって太陽は毎朝確実に昇ることが出来ると考えられています。

クヌム神 (Djed pillar)   柱の頭飾りが4つに分割された記号は(頭飾りの付いた柱)Djed pillarを現し、Djed pillarに両手が付いているシンボルはクヌム(Chnum)神を表します。
クヌム神は最も古いエジプトの神で、男神と男性の創造者であり、身体(魂の抜け殻)と魂(Ka)から人を復活させると信じられています。また、一般には繰返し現れる周期的なできごとを表現しています。
ここではDjed pillarは太陽(Harsomtus)を復活させ、ヘフ(Heh)が朝の空を運んできたことから朝日が東の空から昇ることが出来ます。
  アヌビス(Anubis)死者の魂を判定するは測定器(鳥の羽)を持っています。
死んだ人の魂は冥界の判定の部屋に導かれ、アヌビス(Anubis)によって死んだ人の真実を表す心臓が取り出され、その重さが一つの羽と比較され、重ければ真実(合格)であり、冥界のオリシスによって冥界に留まることが許され次の復活ができるようになります。軽いと罪(不合格)で、アミットに心臓が食べられて、復活できなくなります。
太陽も日没にはアヌビスの判定を受けることから、必ず復活するという確かな保証は無く、太陽が無事復活できるようにお祈りの儀式を行う必要があります。」
http://www.geocities.jp/hiroyuki0620785/yowa/dendera.htm


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エジプトのヨミガエリ儀式としての装置だというわけである。
よく見ると男根状の「電球」には蛇が描かれ、まさしくそれは男根に浮かぶ静脈そのものおである。またハズの花=ロータスはインド仏教でも蓮華となって仏陀=アートマンの座る宇宙=生命の根源を現すことになる。この花の紋章はローマでも中国でも日本でも聖なる紋章となり、王家の家紋としてバリエーション化した。例えば皇室や西アジアの菊花紋とされる16弁もこれが大元である。


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以下、『魔女論』では扱っていないKawakatu独自の視点をいろいろと書き連ねてみたい。
大和の論点は、民族学伝承ひろいあげ辞典の過去記事と偶然だが、大いにリンクしている。
その第一は、西欧とアジア、南米の死生観の一致であり、
日本の縄文時代から古墳時代へ至る死生観伝統継承もその流れの中にあるという点につきる。



このシリーズはいずれ友だちのみ公開限定記事に移行されます。



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