ちょっともう呑んでしまったので、手短に書く。詳細は後日。


宮中の主殿寮に奉仕した氏族はたいがいその職業を姓にした氏族である。
もうひつとの日置氏(ひおき・うじ)がこの中にある。
いわゆる「ひき」「へぎ」とはまた違う世界の氏族である。
「ひおき」とは「火置き」で、宮中の灯燭に関わることを職とした。
簡単に言うと、一日中、宮中の蝋燭をつけたりけしたりの係りである。

このような宮中の職を名に負う氏族を「名負部(なおい。べ)」という。
この中には天皇の牛車を引率する車持氏、殿中各部屋に帳をはり、酒宴のあとかたづけ、掃除、湯浴みの支度に関わった子部氏、氷室に関わった鴨氏、キヌガサに関わる笠取氏などが記録にある。

考えてみれば、たったそれだけの業務に専門職がいたわけで、なんとも非効率的に見えるのだが、実はそうしておくとなにかあったときの責任の所在が一目瞭然になるわけである。

このように同じ氏族名を持っている氏族でも、時代や場所によってまったく無関係な同名氏族があったことがわかるのである。

これは、鴨氏という謎の氏族も同じことだろうと思う。
上記、主殿寮の部氏族のほとんどがみな、職業を氏族名にしているところを見ると、鴨氏もなにがしか鴨に関わった氏族だったと考え付くべきであろう。記録には鴨氏は氷室の係りであろうが、それ以外に宮中池の鴨の方丈にも関わったのかもしれない。というのは山城の鴨氏には鴨を解体して贄とする祭が伝えられているからである。

鴨氏には大和の葛城鴨氏と、山背の葛野上下鴨氏があるが、葛城鴨氏は地名の「かも」を名にしているが、山背葛野の鴨氏のほうは、地名なら葛野氏になるべきところをなぜか地名にはない「かも」を名にした。


押せば順位がひとつあがります
  ↓   ↓
With2ブログランキングへ
↑  ↑  ↑
blogramランキング参加中!

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・