いつもそうだった。
酔いにまかせて人を斬る。

「小林行雄がだめなんです」
「小林、ゆきお、ですか」
「はい、いや小林を代表にする過去の権威主義が」
「かわかつさん、それはそうかも知れないが、そんな風に言ってはいけないんです」




その通りなのだ。
日田市の歴史研究会の彼がそういうのは当たり前である。ぼくは権威に不遜である。
そしてそれは平等に不遜で、敬称略をつらぬく。

たしかにそういう風に個人を責めてはならない。
しかしこれもまた言えることだが、猫の首に鈴をつけられなかった史学全体を、ぼくは揶揄したいのである。
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西米良村は遠かった。
しかしながら、行き着いたぼくたちを郷土史家N氏とその奥方は、それ以上ないであろう迎え方・・・奥方の食事のうまさ!
電話で、「そんな気をつかわないでいただきたい」とお伝えしたにもかかわらず、それはそれは心のこもった昼食を用意していただき、90にもなろうというご主人は、わざわざ橋の袂までわれわれを迎えに歩いてきてくださった。

これといった人生の感動も破局もないぼくたちを、翁と細君はこともなげに「ようきてくれた」と諸手を挙げて迎え入れたのだった。

科学や分析の外にある感動だった。
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翁の視線は広大だった。
そして村を愛していた。
それが欠けているのだ、ぼくらには。
それがすべてに対する、生きとしいけるもの、への愛なのだとぼくは痛切に感じた。

それだけで素晴らしいひとときだった。そしてここに行くことを示唆してくれた菊池氏に感謝する。


民俗とは民俗学とは、そこへ行くことでしかありえないと再認識した西米良のひととき。
ひとこま
http://www.youtube.com/watch?v=-g18kWc-AHg&list=HL1326607097&feature=mh_lolz



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