紅葉狩りを紅葉見物だと思ったら大きな間違いである。
ただ赤い葉黄色い葉を見にいくのじゃあない。
その背後に潜んでいる、賎なる部民や修験者たちの見ている後ろ戸、うら戸の闇を見にいくのである。
 
 
 
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中山仙峡にかかる無明橋
 
中山仙峡は並石ダムの背後に聳える奇岩群である。
 
 
 
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こちらはテレビでもすっかりおなじみになってしまった天念寺無明橋。
 
 
渡りにくさでは中山仙峡が群を抜く。
 
なにゆえに山のてっぺんに架け橋があるのか?いったい誰が重い石を担いで山の上まで運んだのか?
 
そしてなにより、なぜそのような苦行をしたのか?
 
なにが彼らを突き動かすのか?
 
なぜ現代人はそれを忘れてしまったのか?
 
 
さまざまな疑問が浮かばねばそれはどこかネジがはずれている人だ。
 
 
 
どうせはずれるなら、思いっきりはずれてしまった山下清のような人種のほうが、かえって常人よりも闇を見ることができる。中途半端なばかものには何も見えない。
 
美しいから?高いところ見たいから?
ではない。
紅葉の季節しか紅葉は見られない。にも関わらず、そんな危険を冒して橋をかけた。
 
 
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筑紫の島に四面あり。
ひとつは白日別、ひとつは豊日別、ひとつは・・・
その四面の神のうち三面までが、こんな誰一人やってこない山奥の、本道からはずれた山村のはじっこに置かれていた。天国のように金色のイチョウにつつまれて、ひそやかに。
 
 
 
 
 
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鹿嵐山からの遠望。
 
なぜ誰も知ることがないようなこんな場所にまで修験者は地蔵を祭ったのか?
 
 
 
 
 
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この鹿嵐山には金山があった。
麻生一族と藤一族、船木一族が入って開発した銅山である。
船木氏はその後熊本へ、麻生氏は筑豊へ、そして藤一族だけが居残った。
これはもうだいぶんまえにもご紹介している。
 
これらの氏族名はつまり甲斐氏とともに全国共通の鉱山氏族名である。
船木は海人族で舟の釘と材木を探して山に入り込む氏族だ。
藤は葛=先住民系・蝦夷系である。藤原と同じ。
麻生は「あそ」=山の土ぐもである。先祖代々穴を掘る。出雲の大穴持の眷属で縄文系であろう。
甲斐は谷間を歩く氏族。
 
鉱山氏族にはこのほかに中世の神野・河野・高野などみな「こうの」と名乗るものもいる。高い山をゆくからだろう。海賊や山賊にも多い。穴井・安濃・穴生なども同じく。
その多くが渡来系鉱山師との婚姻を繰り返した。
 
 
「あな」とは間歩穴、井戸、のだたらをさす。久保田なども窪地=野だたらである。
 
 
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鹿嵐山でついにみぞれになった。
 
 
 
 
一気に山を下り、久住をつっきり阿蘇山へ。
 
 
 
夕日が阿蘇を染めた。
 
 
 
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ここが九州鉱山師たちのふるさとである。
阿蘇氏が古代に入った場所。
阿蘇杵島岳の杵島・木嶋もまた鬼島、鬼の氏族=鉱山師である。
それが北関東では鹿嶋となまる。
大生部や茨田や伊福部も鉱山師・鍛冶屋である。
 
 
金刺(かなさし)、穴師も鉱山氏名であり、阿蘇氏、多氏、秦氏とは血縁関係を結んでいった氏族だ。
 
 
 
異界の旅は終らない。
果てしなく続く。
わが人生が終るまで。
 
 
 
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北西に金気がある限り。
 
犬、猿、雉を道ずれにして・・・。
異界がある限り。
痛みと疲労は生きているしるしだ。
枯野に死ねれば幸せだ。
千手観音、薬師観音、十一面観音、如意輪観音、馬頭観音、虚空蔵菩薩、不空羂索観音・・・そして大地母神の導きで弥勒菩薩に出遭うまで、人類の探索は永遠に終らない。これこそが永遠と再生と不老不死の意思。
 
私のたびは終わりのない旅。
一銭にもならない涅槃の旅。
 
 

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