これは橋本雅之も書いていることだが、『播磨国風土記』には写本がひとつしかないという点である。これを「孤本」という。
古代の記録や史書はすべてが原本が消失し、あるのはすべて写本であるが、いずれも複数写本があって、比較検討が可能である。しかし播磨国の古風土記だけは三条西家本を原本とする複数書写本しかない。
 
『万葉集』などは写本だけで30本ほど残っていて比較検討して底本が決められた。しかし写本がひとつしかないと、その一冊を底本とするしか手はなくなるので、書写が全部間違いがないかどうか決めがたくなる。これまでに多くの写本を検討した結果、『播磨国風土記』写本のすべての原本は三条西家本であることがわかっているのである。だから細かい部分の書き間違いや誤解が、そのままになっていることを研究者は念頭に置かねばならない書物である。
 
参考 『風土記研究の最前線』2013
 
 
ちなみに風土記にはいわゆる奈良時代の古風土記以外に江戸時代などに新撰された風土記がある。
ご存知のように古風土記で残っているものは『出雲国風土記』『豊後国風土記』『常陸国風土記』『播磨国風土記』『肥前国風土記』のみで、あとは逸文である。
 
その詳細は後日別記する。
 
 

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