全文引用(つまりいい記事)
 
「福岡県前原市有田に平原(ヒラバル)遺跡がある。昭和四十年に発見され、この時の調査主任が考古学者の故原田大六氏で、三種の神器の※八咫鏡(ヤアタノカガミ)と平原遺跡出土の鏡の大きさがよく似ていることから平原遺跡の被葬者が天照大神であると推量した著作『実在した神話』を出版され、「天皇家の故郷は糸島であると確信した」という。この原田夫六氏の言う「天皇家の故郷」の意味と、その範囲を糸島の何処まで絞りこんでおられたかは今となっては不明だが、先学として頭が下がる。

 私は何度となく前原市の伊都国歴史資料館を訪れ入口近くの氏の銅像と対面しているが、正直に言うと私は氏が大嫌いで代表的な著書はすべて読んでみたが二度と読み返す気力さえ失せてしまう程である。何故か。中学卒業後しばらくして戦地に赴き中国大陸で憲兵だったせいか、氏の態度・論調は傲慢そのものであり自宅には「面会謝絶」の札を下げ、訪ねて来た古田武彦氏を門前払いした有名な話もある。
 不思議なことに梅原末治氏、末永雅雄氏、原田大六氏、日本考古学の先駆者や先学は大学に行っていない。考古学とは無縁の「土器探し」に夢中になり、それが高じて大学の研究室に「発掘専門」として雇われたものである。断わっておくが「大学に行っていないこと」を問題にしているのではない。彼等も出発はいわば門前の小僧のごとく「ずぶの素人」から始まっているのにも拘わらず自分たちを生まれながらのすばらしい考古学者だと思い込んだことにあり、二○○○年に発覚した
 
「ゴッドハンド事件」が示すように考古学は人間を夢中にするものである。
 原田氏の著書『卑弥呼の墓』(昭和五十二年 六興出版)の文章から。
 
 「いずれもアマチュアだから考古学的論証を経ていない。論証しているつもりの屁理屈は、いくら御託を並べても、それが科学的でない以上、考古学界では通らない。…あるいは大学の考古学研究室の学生になって研究されよ」
 
 「みよ、その虚構書の張本人たる小説家を。武智鉄二・松本清張・宮崎康平・富岡多恵子・豊田有恒・望月義・高木彬光と並べれば限りなく、小説家が邪馬台国ブームにもぐりこんできて割拠し今ではリーダー格におさまってうそぶいている。…」
 
 「学問は正しいのが当然であって、偽りや間違いは許されないのである」
 「戦後、これこそ日本古代史の真実であるが如く、左翼的思想家によって喧伝された…」
 
 「彼等小説家は嘘でよいのであり、だましで結構なのであり、ぎまんで万歳なのである。…」
 
 
 実をいうと私は末永雅雄氏の教え子の故網干善教氏の講義を関西大学で受けて考古学や日本古代史に興味を持ったのだが、故網干善教氏は古墳の扱いで文部省を厳しく批判された(文部省は高松塚古墳の保全を数億かけて行ったが、すばらしい壁画にカビをはやす結果となり、今では真っ黒に変色している。網干氏は古墳の本当の保全は元のままに埋め戻すべきだと主張されていた。結局、文部省の考古学に対する姿勢に反発され中央アジアの発掘に向かわれている)ように現場一筋の考古学者で、いつも真っ黒に日焼けした、人懐っこい人物であった。それに引き換え、もう少し書き様が有りそうなものだが、学問は正しいのが当然」とは何と言う傲慢さだろうか。「学問は正しいかどうか常に探求するためのものである」
 

 基礎的な学が備わっていないせいか罵倒に近い批判であり、「左翼的思想家」とは、いかにも元憲兵の口から出そうな言葉である。

 批判された人達にすれば「お国の為の学説に固執する胡散臭い学者」に飽き飽きしているからこそ自由な立場で自説を展開しているのであって、「金儲け」のためだけではない。たぶん氏の経済的不遇が背景にあるのだろうが、気に入らなければ黙って置けばよい。
いずれにしても氏の論調は現在の考古学界の驕りと逃げ口上そのもので「考古学的論証を経ていない」という決まり文句こそ氏の「受け売り」である。「ケンカ大六」と呼ばれた氏の肩書きは「日本考古学協会会員」だが『日本国家の起源』という著書もある。それより考古学からは史実は語れないし、出土物に「製造年」でもあれば別だが、年代は(絶対に)特定できない。
では原田氏が卑弥呼の墓についてどのような条件(卑弥呼の墓の三原則)を挙げているか。
①前方後円墳であること。
②画期的巨大墓であること。
③殉死者樹立の事実があること。
そもそも氏は、卑弥呼は倭迹迹日百襲姫命、墓は箸墓であり、学者である自分が言うから間違いはないとしている。特に①・②は最初から自説の「箸墓」を前提としているのは明らかで、言い訳として「記紀の記述こそ考古学の基本となるべきもので、素人が必ず持ち出す『魏志東夷伝』の文章は、あいまい、不確実・漢字の羅列で根拠にならない」と書いている。

 『魏志東夷伝』
 卑彌呼以死 大作冢 徑百歩 徇葬者奴婢百人
 
 要するに明治政府が巨大な前方後円墳を優先的に天皇ないし皇族の墳墓に比定したように、卑弥呼は倭迹迹日百襲姫命だとして①と②を持ち出し、素人好みだという『魏志』の「直径百余歩の塚(円墳)」を完全に無視しているように見えるが、③だけは「奴婢百余人を殉葬した」という『魏志』の記述を臆面もなく採用するという明らかな矛盾を抱えている。仮に箸墓が卑弥呼の墓だとしても箸墓は前方後円墳であり、耕作や天変地異で削られ形が変わる事はあっても、卑弥呼の冢だと気が付いて円墳をわざわざ前方後円墳に造り直すという労力を誰が何時したというのだろうか。

 復員後に原田氏は経済的に生活が苦しいなか、九大の故中山平次郎博士(医師で考古学者)のところに転がり込んで考古学を学んでいる。恐らく元島原鉄道社長で経済的には恵まれていた故宮崎康平氏が著書『まぼろしの邪馬台国』で九大考古学の不甲斐なさを指摘したことが関係しているのかも知れない。邪馬台国ブームが巻き起こった当時、学界は『まぼろしの邪馬台国』は単なる文学小説だとして黙殺し相手にしなかった。
http://blog.goo.ne.jp/kawakami23takeru/e/d2d3615043af6a7c43bff8dd997a0365
 
 


 
さて、「東遷説」の復活である。
いかんせん。
森浩一先達が生前唱えた説だったが、ヤマト説考古学はこれを一切「なし」としたはずである。
 
 
そもそも考古学に「ヤマト説」などあってはならないものである。いやさ、学問であれば、どんな手法であっても、
たとえ文献史学であっても、
最初からヤマトだ筑紫だ、などという前提・想定ではじめられる考証など、そもそも科学ではない。フェアプレイの推理で行くのなら、あらゆる証拠品が提示された上での地域特定である。ところが考古学は、おのれを科学、科学と言いながら、特にヤマトも筑紫も学派は、恣意的に論じてきた。
 
 
 
これを越境しない古代学と読んだところでなんの在野からの文句もなかろう。
 
 
 
しかし「東遷説」だけは越境する説である。
 
 
邪馬台国は切迫する大陸事情によって瀬戸内を東へ向かい、吉備から河内、そしてヤマトへ移住した・・・。その証拠がヤマトで始まった前方後円墳の中に、筑紫だけの埋品だったはずの鏡が出始めたではないかと。
 
 
その鏡の中でも、伊都国の内向花文鏡つまり連弧文鏡の大きさは、他の追随を許さず、しかも伊勢神宮の八咫鏡そのもののデザインと大きさではないか・・・。
 
 
 
 
はて、このロジックに、どこかにおかしいところはないのか。をまず検証せねばフェアプレイとは、九州人のKawakatuとしては、安易にいえまい。
 
 
 
 
8世紀に成立する伊勢信仰のご神体である八咫鏡が、なぜ平原の鏡と一致したか?
ヤマト説学派と九州説学派は本当に越境する共栄する古代史学を作り出せるのか?
地域的固定観念や派閥を超えた、今後の協力体制に期待感が高まる。
 
 
 
 
思えば森本六璽、モース、それ以前の考古学から影響を受けた日本考古学の歴史の中で、果たして越境するを本旨とできた学者が一人でもいただろうか?
 
 
 
森浩一以来、同志社大学はその後続を生み出してきた。
 
 
 
平原の方形周溝墓には卑弥呼以前の巫女女王が眠っている。
その横にあとから卑弥呼が埋葬された・・・?
 
 
 
 
ふるさと伊都国に。
 
 
 
ヤマトから。
 
 
 
故郷での埋葬。
 
 
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麻の種子の纏向での大量出土・・・
しかしそれが巫女の巫術に本当に使われたのかどうかは不明である。麻は衣服の素材となる。麻薬効果に使われたなら、種子粉末がなければなるまい。
 
 
 
 
 
考古学だけでは真実は確定できない。
 
 
九州の土器はどうなった。
 
 
筆者にはまだまだ検証が必要である。
 
 
 
 
 
 

 
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