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筆者、関西在住の頃は仕事でもレジャーでもよく賢島、南紀、伊勢志摩、鳥羽へ出かけている。ここは歌人族・海女の志摩として有名(伊勢には海女いませんよ)。


伊勢神宮が最大のポイントだったと安倍首相は言っている。日本人の精神性を海外要人に知ってもらうにふさわしいというのが表向きの最大理由だそうだ。

朝日新聞に理由のいくつかが書いてある。
「首相が伊勢志摩サミットを決断した直接のきっかけは、今年1月5日の伊勢神宮参拝にあった。
 伊勢神宮を参拝中、首相は「ここはお客さんを招待するのにとてもいい場所だ」と口にした。それを聞いた首相周辺が、同行していた鈴木英敬三重県知事に「サミット候補地として立候補すればいい。いま直接、首相に伝えるべきだ」と進言した。」

「鈴木知事は伊勢神宮が宗教施設である点や、伊勢志摩以外に7都市が開催候補地に名乗りを上げていたことから、やや遠慮気味に「今から手を挙げても間に合いますか」とたずねたところ、首相は「いいよ」と即答。鈴木知事は1月21日の定例記者会見で、サミット誘致の意向を正式に表明した。鈴木知事は経産官僚出身、第1次安倍内閣で官邸のスタッフだった。
 各候補地が出そろった時点で、政府は会議場の規模やホテルの受け入れ能力、警備や交通ルートなどを数値化して比較しつつ検討を重ねてきた。
 伊勢志摩の場合は、中部空港からヘリコプターで移動する点が懸案として指摘されていたが、政府高官によると「郊外都市でのサミット開催が各国で定着しており、首脳のヘリ移動は珍しくない」「伊勢志摩は、悪天候でも別手段で移動が可能」などとして、大きな不安材料にはならなかったという。」



やはり最大の理由は、賢島の警備がやりやすいことだったようだ。
周囲は全部海で、おまけに地形が複雑で容易に近寄れない。
陸地からは橋が一本ありきりなので、ここを抑えるとあとは海か空からしか近寄れない。海からはしかしなかなか入れない。周囲を海岸段丘のリアスが囲んでいる。

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そもそも日本は世界の紛糾地域や共産圏から遠隔で、テロがやってくるだけでも大金がかかる。そんな不便な場所までテロはやってくるゆとりがない。あるとすれば地震や津波のほうがよっぽど脅威になる。と書くと、熊本の余波がもしやサミットに?などと思わず杞憂してしまうだろう。来るかもよ~~~~


さて、志摩といえば海女、鳥羽といえば海人族である。
ご存知のように天武・持統天皇由来の諏訪遷都計画のおりに、鳥羽から対面する尾張の知多半島へ船で向かった経緯もあり、鳥羽といえばあわびについでフェリーでも知られる。

過去記事で海女に関して記事を書いたことがある。


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むかしの海女はこういう姿であった。おおらか。犢鼻褌(とくびこん=たふさぎ・ふんどし)に腰に磯ノミ・命綱。




◆海人(あま)と磯ノミの分布

●旦那は外海カツオ漁、嫁は岸辺でアワビ獲り
志摩の海女は、海外にも知れ渡るほど有名。この地区では、海女というと、女性という概念が強い。全国的には、海人(あま)は海に住む人全体を指す。古代の頃は、安曇族が束ねていた。現在でも信州の安曇野や愛知の渥美などは、海人たちが移住し、住み着いた根拠を示す地である。男女とも同じように従事していた。平安時代から分業化がはじまったと推定される。男は、船に乗ってカツオ漁など沖合漁業に出る。女は子育てしながら、地場の磯で生業として海の採集生活を営んでいた。潜水漁法の歴史は、縄文時代からあることがわかっている。それは、遺跡の頭蓋骨に軟骨がでていることから示される。九州の遺跡からは、しかの角を利用したアワビオコシが出土しておりこれからも立証される。浦村に白浜遺跡の貝塚があるが、サメの骨、アワビ、サザエ、紫貝などが層になったものが表面化している。文字で残っていないが遺跡から立証できる。
http://www.city.toba.mie.jp/shakai/chikyuujuku/h21dai8/h21dai8.html



男性の海人を「海士」、女性の海人を「海女」と区別して記されることがあるが、いずれも「あま」と呼ばれる[1]。海士を一文字にした「塰」という和製漢字(合字)があり、鹿児島県種子島の塰泊(あまどまり)という地名に用いられている。

中国の水上生活者を意味する「蜑」(たん)、「蜑家」、「蜑女」という表記を用いて、「あま」と読む例が近世の文書に見られる。例えば、『南総里見八犬伝』に、「蜑家舟」と書いて「あまぶね」と読む語が登場する。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B5%B7%E4%BA%BA

海南島から長江河口部の華南では白水郎と表記してこれも「あま」。
日本の大和朝廷では海部と書きこれも「あま」である。
ただし朝廷の機関としての海部は、海部氏・尾張氏などの管理者のもとに管理され、陸地に住むことを強制され通いの漁師となり、御食を供出することを義務付けられ、海外渡航の自由はやがてなくなった。


◆海士族の風習と道具
●磯ノミ
現場の海人や民俗考古学で「アワビオコシ」とも。
磯ノミは、柄ノミ(エノミ)とカギノミの二種類がある。
柄ノミは手で握るところに木の柄がついている。柄には魔よけの印であるドーマン(九字)・セーマン(五芒星)を彫らなければならない。
カギノミは鉄のヘラ状で、片側がカギ型に作ってある。カギノミはアワビを剥ぐ場合のほか、ウニやサザエを岩の間からかき出しやすいという理由で、多く使われている。
素材は古くは鹿角などの動物骨格、やがて鉄器へ。



●磯笛
海人が呼吸を整えるときに一度に息を吐き出すため、ヒューという音が出る。これを磯笛と呼ぶ。

●磯桶
「イソ桶」、「イソモン桶」といい、高さ30~35cm、直径60cm位の大きさで、材質はサワラやスギが使われている。
ハンギリと言う直径90cmを超える大きな桶はアラメ刈り等に使用されている。
磯桶はアワビやサザエなどの収穫物を入れるとともに、浮上して息を整えるときの浮き輪の役割も果たしている。
最近では「タンポ」とも呼ばれ、ゴムのチューブ状で、太さ12cm前後、外径60cm前後の輪に、内側いっぱいにスカリ(採取物を入れる袋)を付けたものを使うことが多くなっている。内部にスカリを付けた方法は、収穫した貝類が海水に浸っているため、鮮度が良いのが利点。
さらに、ゴムのチューブが発泡スチロール製に変わってきている。
海で使用する場合は、浮き輪の横に50cmくらいの旗を揚げて目印にする。
磯桶は、磯メガネ、磯ノミと共に海女の最も基本的な道具のひとつ。

●くぐ
磯の海藻類を入れる籠。背中に背負う。
「くぐ」に助詞の「つ」がついて「クグツ」は海人族伝統の舞い踊る風習が芸能を生み出したことから、漂泊の遊民・芸能者の代名詞となり、ながて海人族が人形を使った芸をすることから、人形劇・人形そのものをそう呼ぶようになる。
「くぐ」は動詞「くぐる・くくる」=潜ることを派生。
「くくる」が紐を自在に手繰り組みひもなどを得意とした海人女性から「紐をたばねることも「くくる」。ここから擬態語「くるくる」も派生したと考えてよかろう。
猿芝居などもくぐつである。転じて猿真似から物真似もくぐつの一種。猿回しも同じ。芸能・歌謡は猿真似から始まるので、舞踏や演芸、歌もくぐつの一種に入る。漫才も三河・三野に多かった萬歳から始まるのでこれもくぐつ芸。

●トモカズキは、海の魔物。または亡霊。
「かずく」がそもそも「潜る」意味。
海女が自分一人しか潜っていないのに、近くにそっくりな海女が一緒に潜っており、同じような作業をしている。そっくりな海女がニヤリと笑いかけたり、アワビをあげようと誘う行動をとり、うっかりして「ありがとう」と誘いに乗ってアワビをもらってしまうと、そのまま命を取られてしまう。

アワビがたくさんいるところに連ってあげようと、手を引きにきたり、一緒に深い場所に行くと、潜水時間を超えて息が絶え命を落としてしまう。 沖から赤潮が流れてくる時などに海にもぐっていると、同じような海女がもぐっている、蚊帳のようなものを被せてくるともいう。

トモカズキは、海女と身なりは同じでも足が無いとか、鉢巻の尻が長いので見分けがつくともいわれている。

勁文社の子供向けの「大百科シリーズ」のイラスト(挿絵)にも、海女の亡霊のイメージイラストが掲載されていたこともあり、薄暗い海中で白の長袖磯シャツに白の磯ナカネ(膝上の短めのタイトスカートを穿いているように巻きつけて)、白の足袋、軍手、頭に白の磯頭巾をかぶり磯メガネ(鼻隠し一つメガネ)で両目と鼻、口を覆うようにして装着した姿で海上へと上がりながら海女さんを襲う様な感じで描かれていた。

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●海女の分布
三重・鳥羽でフォーラム(毎日新聞 2009年10月4日)に参加した地域:
岩手県久慈市小袖海岸、
千葉県南房総市白浜町、
石川県輪島市、
福井県坂井市三国町、
三重県鳥羽市、
三重県志摩市、
徳島県美波町、
福岡県宗像市鐘崎、
長崎県壱岐市、
熊本県天草市、
韓国済州島


この順番を逆さにすると歴史上水没して魚介を採集する風習・技術の移動経路になる。
現在は海女の数が減ったため、全国的に磯採集には済州島などから海女を招聘している。
かつては全国から要請があって国内海女も巡回したのだろう。夏場~秋口が貝類の旬なので、海岸の磯にいくとたまに海女を見ることができる。しかし多くは言葉が通じず、それは済州島の海女だとわかるのである。













海女の拡散経路と分布図

あなたの町に海女さんはいますか?



全国海女人口分布図



海女の浮世絵
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現在、志摩では不足した海女を済州島から補充しており、あわび・さざえシーズンには何千人もの海女が活動する。海女のルーツは半島海岸部で、そこから対馬、壱岐を経て九州から全土に拡散した安曇族によって、「いさな獲り」とともに移住してゆく。





神饌奉納神事の白装束の海女






魔よけとしてのドーマン(右)・セーマン(左)

ドーマンは蘆屋道満、セーマンは安倍晴明のことで、陰陽の魔よけだ。
蘆屋道満は民間陰陽師、安倍晴明は官僚陰陽師で、簠簋内伝などでは両者が対立し呪文合戦を展開するのだが、実際はそのような事実もなく、晴明た巫術の達人だったかどうかは知れないが、それらが映画や小説のような魔法チックなものだった証拠など一切ない。これも天武が愛好したという天文・遁行(てんもんとんこう)に同じで、妖術などではなく当時の科学であった統計学と暦との確率重視の計算された経験則でしかあるまい。しかし無学な民衆はそれをあやかしの術と見たのである。



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なるほど、海外要人たちでなくてもここには行きたくなる。
すけべなあなたも行きたくなったでしょ?







あわびのステーキ、さざえのエスカルゴ風、おすすめね。
現代の海女さんも。



倭人たちがそこにいる。










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コメント

 コメント一覧 (5)

    • 1. 1082001(紫音)
    • 2016年05月22日 20:54
    • 911、311、
      米戦争屋ネオコンCIA(イスラエル含む)による
      [放射能の残留しないハックアタック・テロ ]であると
      アメリカ政府、東電、日本政府も承知しているところ
      といぅことです。
      そして九州も、、、
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    • 2. hop*519
    • 2016年05月22日 21:30
    • 行きたくなりました!!
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    • 3. Kawakatu
    • 2016年05月23日 05:34
    • &gt; 1082001(紫音)さん
      妄想もいつか、なるほどにならんことを願っております
      するってえと、熊本や湯布院には今、山ほどテロリストがいるわけです?そりゃあ見に行かなくちゃ。そして彼らが愛媛に行ったり、茨城に行ったり、日本全土の断層帯を右往左往してハックしておると、そう言うのですね?じゃあ、次の地震は伊勢志摩で起きるんだ。
      責任者連れてこ~~~い!!って人生行路が墓場から出てきそうやな。
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    • 4. Kawakatu
    • 2016年05月23日 05:36
    • &gt; hop*519さん
      是非いって見てください。いい民宿教えますぜ。
      ただし行くのはサミットが終わってからにね。今行ったらへたすると不審者として逮捕されたりして?
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    • 5. Kawakatu
    • 2016年05月23日 20:50
    • エア・フォース1横田に立ち寄りベトナムへ。
      その後ベトナムから伊勢志摩へ・・・少しいやな予感がした。
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