昨夜のNHK「日本人のおなまえ」がいい加減な解説で終わったので、ちゃんと解説したい。

伊調
伊調の伊は「これ」で、維・惟と同意の文字。ものをささげること。
」+音符「」。「尹」は、手で神杖を持った様を表わす象形文字。伊は神の意志を伝える聖職者。治める人の意を表す。調和をさせる様、初期の伝説の宰相伊尹(いいん)に因み嘉字とされ、人名、地名に用いられる。」伊ーウィクショナリー日本語版https://ja.wiktionary.org/wiki/%E4%BC%8A#.E5.AD.97.E6.BA.90

井伊の伊は、井=水に仕えるもの。

ここまではよかったが、あとの調は音の意味の「しらべ」では今回はなく、「つき」で、租庸調の調のこと。布などを朝廷へ税として差し出していた氏族である。

この訓読みの「つき」が月と同じなので、朝廷や大名を支える影の存在という意味で月神を祭る家がある。

イチョウ 井長 熊本県・広島県。熊本県に井姓あり。イ 井参照。
イチョウ 鴨脚 京都府、神奈川県・千葉県。事物。京都府京都市左京区下鴨泉川町の賀茂御祖神社(下鴨神社)の神主は皇紀からでは弥生時代の景行天皇による「銀杏が鴨の脚に似ている」との言葉からと伝える。同社では鴨氏の後裔との伝もあり。カモ 鴨参照。
イチョウ 伊調 青森県三戸郡新郷村、青森県八戸市。青森県三戸郡新郷村戸来に分布あり。飛鳥時代からの律令制で絹、布を納める税に調あり。
イチョウ 居長 兵庫県神戸市、長野県小諸市・埼玉県。鴨脚姓あり。
イチョウ 銀杏 ギンナン 銀杏参照。
イチョウダ 銀杏田 長崎県長崎市。字義では「銀杏と田」。
イチョウダ 伊帳田 島根県仁多郡奥出雲町。島根県仁多郡奥出雲町稲原が起源地。同地では農業に従事していたと伝える。
イチョウハラ 居長原 高知県高岡郡四万十町。高知県高岡郡四万十町地吉に分布。
イチョウハラ 井長原 高知県高岡郡四万十町。高知県高岡郡四万十町地吉に分布。
以上資料人名力http://blog.livedoor.jp/namepower/archives/2708063.html

 


「「伊調」姓は全国で約30軒というきわめて珍しい名字だ。「月神」をまつり、伊勢神宮への調(みつぎ)物を作る土地に由来するそうで青森県三戸郡新郷村には数件あるという。」http://www.sanspo.com/etc/news/20160915/amk16091505000001-n1.html


つまり伊調さんは、その氏子。地元神社に鴨氏末裔との伝承あり。だが、それがなぜ青森に行ったのかは不明。青森東部は会津藩が移動させられた地域であったことと?





テレビは事情などで重要な部分をやむなく削除することがあるから、おかしいなと感じたらちゃんと調べてみよう。





なお、鴨脚家は京都の鴨一族の一派。天皇家の水を扱うため、鴨の足がイチョウに似ることからこの漢字が下賜された。本来は井調で、やはり水を王家に税としてささげたことからと思われる。