「7万年前に生きていた5種の人類
 
 およそ4万年前にネアンデルタール人が絶滅して、地球上の人類は、私たちヒト(学名はホモ・サピエンス)だけになってしまった。しかし、昔はたくさんの人類がいたのだ。仮に7万年前の地球を考えると、そこには少なくとも4種の人類がいた。ヒトとネアンデルタール人と、インドネシアのフローレス島で化石が見つかったフローレス原人と、シベリアで化石が見つかったデニソワ人だ。

  ネアンデルタール人とヒトが交配していた事実が、両者のゲノムから明らかにされたのは2010年だった。当時としては衝撃的な結果だった。

  しかし、人類というものは、いろいろな種と比較的自由に交配するものらしい。デニソワ人もヒトと交配したらしく、アジアからオセアニアに住んでいる現生人類(ヒト)のゲノムの数パーセントは、デニソワ人に由来するものである。特にニューギニアに住んでいる人ではその割合が高く、ゲノム全体の約5パーセントにも達する。」
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180907-00057351-gendaibiz-bus_all&p=2


5種類の人類 
  ヒト
 ネアンデルタール人
  フローレス原人
  デニソワ人
  アウストラロデニソワ人




「今回調べられた骨が出土したデニソーワ洞窟からはすでにゲノム解析が進んだネアンデルタール人(Denisova5)とデニソーワ人(Demospva3)の人骨が出土しており、両者の交流を知るためには重要な発掘場所で、すでに2000近い骨の断片が発掘されているようだ。その中の、9万年前に亡くなった13歳ぐらいの女児の骨としてこれまで調べられてきた骨から採取したゲノムが解読され、なんと38.6%が同じ洞窟で見つかったネアンデルタール人と一致し、42.3%が同じ洞窟からのデニソーワ人と一致した。
古代ゲノムの解析では、断片化された短いDNAをつないで行くため、母方、父方と染色体の由来を決めるのが難しい。このため、一致率が50/50に近いといっても、両方の人類を両親に持つとは決められない。例えば、混血が進んだ集団でも、同じような数値が出てくることはある。この研究では、3種類の理論的検証を行い、この女児がネアンデルタール人の母とデニソーワ人の父の子どもに間違いないと結論している。 」
https://news.yahoo.co.jp/byline/nishikawashinichi/20180825-00094259/


論文はNatureオンライン版に掲載され(Slon et al, The genome of the offspring of a Neanderthal mother and a Denisovan father(ネアンデルタール人の母とデニソーワ人の父から生まれた子供のゲノム) Nature in press, 2018: http://www.nature.com/articles/s41586-018-0455-x





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デニソワ洞窟は、まさに遺伝子分析によって日本人の現郷のひとつとされているロシアのバイカル湖そばにあり、そこではネアンデルタール人、デニソワ人、ホモ・サピエンス(現生人類)の化石骨が混在して、時代を経て出土している。つまりあらゆるアジア人分岐の故郷と言っていい場所である。

デニソワ人は、ネアンデルタールとも現生人類とも遺伝子的に違う人類で、その遺伝子とほかの遺伝子の混濁がこの洞窟周辺で起こったことは、まず間違いない。NHKの人類誕生番組でご存知のように、ホモサピエンスにはすでにネアンデルタールの遺伝子の一部が存在することが、欧州人骨の分析でわかっているが、今回さらに、そこにデニソワ人もからんだことがわかってきたわけだ。もちろん、アジアのホモサピエンスにも双方の原人の遺伝子が含まれるかは今後明らかになってゆくだろうが、たぶん間違いなく三者が混じった可能性は高い。

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ネアンデルタールゲノム遺伝子は欧州人その他で3%、アジア人は6パーセントだという。

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ネアンデルタールの遺伝子はアフリカ人には見られず、そのほかのすべての民族に数パーセントの率で存在。従って現生人類とネアンデルタールの出会いはアフリカを出て、西アジアか欧州南部で起きたことになる。しかしその混在率はアジア人のほうが欧州人よりもかなり多い。

今回わかったネアンデルタールとデニソワの混血児たちは、やがてバイカル湖からインドシナ半島(スンダランド)へと南下していったらしい。途中の中国柳江(りゅうこう)人や、台湾の高砂族(高山族)、あるいはそこから北上した八重山~沖縄の港川(みなとがわ)人になっていった可能性が、骨格の類似から考えられる。そうなると日本人のルーツのひとつがネアン×デニソワ×現生人類だったという驚異的新事実を導く可能性がある。

混血人類はさらにインドシナから、つながっていたボルネオ、海でと切れていたはずのオーストラリアへ向かい、インドシナ民族、インドネシア民族、アボリジニへと進化。また、南太平洋に点在しながら連なるポリネシア人のルーツとなって環太平洋各地の海岸線、孤島へと拡散していったと思える。トリガーボートを駆使した海洋民族ラピタ人ともなったのだろうか。





そのポリネシア人の中にタヒチ人がある。

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そう、あの テニスの大坂なおみ の父方のルーツである。もしそれこそが日本の鹿児島上野原遺跡から消えていった縄文人・・・カルデラ噴火で移動して熊襲に?!だったとしたら、母方北海道日本人であるお母さんの遺伝子も気になってくる。そこに北方系縄文の血かアイヌの血でもまざっていたら、なんと2万年以上の歳月によって大坂の父母が出会って、そこから生まれたなおみこそは、「古日本人中の日本人の正統な子孫」になってしまいかねないのではあるまいか?!

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なおみが優勝する前には、ネット上に、「日本人とは思えない」バッシングも存在したが、実は彼女こそが現日本人であった古縄文の血を引くとなれば、それも消えるに違いない。今回、申し上げたかったのはこの可能性である。






ポリネシア人は刺青をし、顔は熱帯対応して浅黒いが、扁平であきらかにアフリカ黒人とは違う。習慣は台湾の高砂族に同じで、地面に竈をほって調理異する。言語はオーストロネシア海洋語で、子音に母音が付着する膠着言語である。星をめあてに太平洋を双胴船で移動し、ポリネシアからトンガ、ハワイ、おそらく南米南端、モアイで有名な島にも、ガラパゴスにも、メキシコやフロリダへも到達したはずである。弥生人の前に、世界中へゆき、文化を持ち帰った。

稲作到来以来、日本人は定着の道を選ぶが、以降、グローバルさを失い、容易に移住せず、地域の交流も国外との交流もしない消極的民族へ変貌したが、縄文人はみな狩猟採集と移住と冒険をこととして、やがて弥生文化に圧迫された一部は後期、三内青森からいずこかへ消え去っている。その移動を怖がらぬ強靭な肉体と精神力を、筆者は大坂なおみに見た気がする。そして細やかな弥生以降の日本民族の精神も、彼女は受け継いでいるらしい。





インターネットに溢れている、やれ日本人は至上の人類とか、やれ韓国人や中国人はとか、やれ大坂は日本人か?などと言っている小さな小さな意見のいかに多いことか。

ぼーっと生きてんじゃねえや!ではありますまいか?


(いくつかの画像を不許借用した。この場で謝罪する)