ウィドマンシュテッテン構造とは、鉄隕石の構造の名前。
鉄隕石は、鉄とニッケルの合金であるが、そうなるまでの過程は、10万~100万年で1度低下という、とてつもない時間をかけてゆっくりと冷えてゆくことでできた構造である。それを特にウィドマンシュテッテン構造と呼び、人類がいまだになしえない方法。みがくと現れる交叉模様である。






隕石にはいくつかの種類が見つかっており、成分に基づく分類では、鉄隕石、石鉄隕石、石質隕石などに分かれる。

鉄隕石と石鉄隕石はその中で、始原物質が一旦融けて再変成されたもの、残りの石質隕石は融けずになったものだが、その中でも融けたエコンドライトと融けていないコンドライト部分を持っている。コンドライトとはコンドール(コンドリュール)という球状粒を持つもの。エコンドライトはそれを持たぬものという意味で、地球・月・火星にある火成岩ーーすなわち溶結溶岩と同じもの。だからコンドライトは地球、月、火星以外からの成分で、そこにエコンドライトが宇宙空間飛来中にくっついたものが石質隕石。ゆえに隕石を地球外からの飛来物として見分けるための物質がコンドライト。



材料物質が融けたエコンドライトや隕鉄からは、その隕石の飛び出した大元の母星の構成物質がわかるし、一度も融けていないコンドライトからは、その石を構成する個々の鉱物がいつどのようにして作られたかがわかる、それでコンドライトは宇宙のロゼッタストーンとも呼ばれている。なぜならそれらの個々の鉱物は、原始太陽系惑星が造られたときのままの鉱物だからである。


世界で、鉄隕石はよく神殿や神社のご神体として祭られていることが多い。鉄が人類のすべての産業の母だからだ。第一次産業の母がコメや小麦なら、製鉄は第二次産業の母である。この両者を大元にして、すべての人類は現代文明の基盤を作ることができた。その基盤のうえに第三次産業が生まれた。農業と製鉄がなかったら、人類は現代の繁栄を手にすることは不可能だった。


それは逆に言えば、この二つを知らなければ、人類の滅亡ももっと先送りできたということでもある。冷たい考え方かも知れないが。繁栄、右肩上がりは、その頂点に至った瞬間から、一転して滅亡へ下ってゆく。放物線はそう語るのであるからしかたがない。



そして、その頂点からの落下速度を遅くするのも、早くするのも、同じ人類しだいである。


あと30年。何が起こり、どうやって滅びるかを私たちは神から見るように申し渡された稀有な人類だ。神の最大の残酷な仕打ちである。われわれは長い罰ゲームの最中に生かされている。すべてが人類始まって以来、初めての体験になる。なんという幸福、なんという地獄。



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