東京や千葉に「あびる」という地名がある。
あびるは、「畦蒜」が古く、「畦」は田んぼのあぜ、蒜はノビルのことである。
畦蒜とはつまりノビルが生える畦である。
やがて表記が多様化。阿比留などに。
いわゆるよく言われている、阿比流が先で、あとから畦蒜とは正反対であろう。
その千葉県の畦蒜にくるり(久留里)という小字地名がある。
くるりとはくるくる回るという意味で、中枢の枢という漢字が当てられる。
枢軸。これは扉の真ん中にある蝶番のことである。つまり「くるる」はその郷の中心的位置にある土地。あるいは字義通りに、新たに人が来て開発された土地。
「くる」を使う地名はけっこうある。
「くるくる」回ることだが、「くるくる」はもと「くる」「くろ」である。「ろくろ」も回るものという意味の道具。場合により「来る」こと。異民族や渡来人が来た土地にも使う。
記紀神話に音としての「くるる」がある。
みすまるの勾玉をスサノヲがくるくると紐解いて、さやさやと流れる水に浸すと子が生まれたという。
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