3月24日朝のNHKサイエンスゼロの再放送が今朝放送された。

https://tver.jp/episode/56206007

ご覧になったと思う。


国立科学博物館副館長でMT(ミトコンドリア)遺伝子分析による日本人のルーツ発見で有名になった遺伝子学者の篠田謙一が解説した。


MT分析では母方しか追えないことは、この民族学伝承ひろいあげ辞典は何度も書いてきたし、父方Y染色体でも参考としては意味がなく、どうしてもゲノム=核分析しなければ正しい日本人の由来はわからないのだと書いてきた。すでにミトコンドリア分析では日本人の故郷は決められないことは10年前に篠田が登場してすぐに西欧遺伝子学内部で喝破されていたのだ。


鳥取県青谷上寺地(あおやかみじち)遺跡で出ている女性(管玉やゴホウラ貝輪をたくさん副葬されていた内部が真っ赤な甕棺の被葬者)の核DNAには、縄文人のDNAがかなり含まれていることがわかった。これはそれまでの篠田が考えていた、そして10年前、多くの古代史愛好家たちが多大な影響を受けてしまった日本人のルーツはバイカル湖説そのものを覆す結果であった。


MT遺伝子分析結果では、弥生人は渡来人30に対して縄文人わずかに1という割合の母方遺伝子しか見出せず、Y染色体父方遺伝子分析とのあわせ技でルーツはバイカル湖と決定しようとしていた。Kawakatuはそれでは不完全、サンプル不足、核ゲノムではまったく違う結果になるかも知れないと何度かここに書いた。



案の定、篠田は泡を食う結果になった。

青谷の女性シャーマン?女王?のDNAにはかなりの割合の縄文のものが含まれており、その大元はどうも日本海側東北人と同じDNAであるらしかった。


縄文時代後期から、東北秋田~山形、あるいは新潟などの縄文遺跡から、中国製品や九州遠賀川土器に似せた土器などが出ることもここではすでに書いている。日本海側縄文人というのが、青森~秋田、山形、新潟、福井などの東北・北陸縄文人・・・のちの蝦夷の血脈の人々で、それが鳥取や島根に来ていたところへ、大陸の2世紀くらいの動乱で、半島や中国からダイレクトに日本列島へ逃げてきていた。しかも青谷の場合、かなりの人口でやってきている・・・それが縄文人と混血していたとわかったのである。


その結果、渡来は大陸からダイレクトに各地に来ていること。北部九州経由だけではなかったことが判明。日本海には縄文、弥生、九州弥生人などがまじって住んでいること。それらが混血したのが日本人だということがわかり、さらにMTハプログループの東アジア的なD4、D5だけでなく、インドネシア系のN、縄文系のMが混在するという結論が・・・Kawakatuがというよりも古い人類学が想定していた複数個所ダイレクト渡来のあったことがわかったのであった。


篠田のこうした正直な反省と見直しが素晴らしい結果を導いたのは賞賛に値するだろう。


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http://plaza.harmonix.ne.jp/~udagawa/nenpyou/yayoi_DNA.htm



自分の推定が証明されたので非常に満足であります。うふふ・・・。











http://plaza.harmonix.ne.jp/~udagawa/nenpyou/yayoi_DNA.htm